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【書評】「こち亀」40年間継続の秘訣~『秋本治の仕事術』(秋本治)
サブタイトルが「こち亀作者が40年間休まず週刊連載を続けられた理由」です。ラジオに出演して、ご自身の仕事ぶりを語っていたことがあり、その時から興味を持っていました。
1、内容・あらすじ
週刊少年ジャンプで『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、通称『こち亀』を40年間連載し続けた秋本治さん。
一度の休載もなく、原稿を落とした(締切に間に合わなかった)ことも一度もないそうです。
秋本さんはどんなタイムスケジュールで働き、どうやって仕事をマネジメントしていたのか。40年の間、アイディアはどこから得てきたのか、煮詰まることはなかったのか。
驚異の仕事術が秋本さん自身の口から明らかにされます。「セルフマネジメント術」「時間術」「コミュニケーション術」「発想術」「健康術」「未来術」の6章立てです。
巻末にはオマケの特別漫画「両津勘吉の仕事術」もあります。久しぶりの両さんです。
2、私の感想
これは業種関係なく、仕事をしている全ての社会人に参考になる内容かと思います。
秋本さんの仕事術の要諦は、あきれるほどにシンプルです。「徹底的にスケジュールを管理し、仕事を前倒しで進めること」。
したがって、仕事がいくら立て込んでも平気なんだとか。正確に言うと、建て込まないようにスケジュールを管理しているということです。
言うのは簡単ですが、これがなかなかできないから世の勤め人はみんな苦労しているのだと思います。
世間一般の漫画家のイメージとは全く違う、規則正しく正確な仕事ぶりは感嘆に値します。
ストイック、というのとも少し違います。「当たり前のことを当たり前に継続してやっている」という感じです。これを実行できることが秋本さんの強みなのだと思います。こち亀が40年間続いたのもうなずけます。
「自分もちゃんとスケジュール管理をしなきゃなあ」と思わされた一冊でした。
3、こんな人におススメ
・『こち亀』のファン
こち亀がどのような仕事環境から生み出されてきたのか、がよくわかります。
・仕事が多くて困っている人
どのようにして仕事のスケジューリングをするか、の基本がよくわかると思います。
・新社会人の人
新人の頃はタスク管理という概念がなく、場当たり的に仕事をしがちです。そんな新人には大いにヒントになります。