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【書評】ほっこり→号泣→ほっこりの恋愛小説『陽だまりの彼女』越谷オサム

「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No. 1」というキャッチフレーズが付いた、『陽だまりの彼女』を紹介します。

ほっこりして泣けて、そしてまたほっこりする、素敵な小説でした!

※書評の目次一覧はこちらです

1、あらすじ・ストーリー

主人公の浩介は、仕事で偶然、中学時代の幼なじみ・渡来真緒と再会します。

ドジで成績も悪くていじめられっ子だった真緒は、モテ系の出来る大人の女性へと、大変身を遂げていました。

二人はやがて恋に落ち、親の反対を押し切って駆け落ちまでして結婚し、幸せいっぱいのラブラブな生活を送ります。

しかし、だんだん真緒の様子がおかしくなっていき……。

というストーリー展開です。

2、私の感想

奇跡のような偶然の再会から恋に落ち、幸せな生活を送るところまでは完全な恋愛小説です。

この真緒の言動がなんとも可愛らしく、いわゆる「男心をくすぐる」ような女性なのです。

二人の恋愛模様も実にほほえましく、「こんな恋愛をしてみたいものだなあ……」などと思ってしまいます。

こんなカップルが周りにいたら、うらやましいと思いながらも、全力で応援してしまうことでしょう。

ところが。半分を過ぎたあたりから、雲行きが怪しくなってきます。

真緒がこっそり貯金を全額下ろしたり、髪の毛がごそっと抜けたり。浩介と一緒になって「なんだ? 真緒に何が起こっているんだ?」
と心配になり、ページをめくる手が早まります。

しまいには、

「あのね、私の寿命、そろそろおしまいなの」

なんていうことまで言い出します。

そしてある日、決定的な事態が……。

後半で、なぜこういうことになったのか、という謎解きが衝撃の事実とともにどんどん明かされていきます。決して「病気」などというありふれたものではありませんでした。

目をうるうるさせながら、「そうか、そういうことだったんだ」と納得しました。

「だから『陽だまりの彼女』なんだ!」と、タイトルの意味に気づきました。

最初の方を読み返すと、確かにいろんなところにヒントが散りばめられていました。注意深く読んでいれば気づいたかもしれませんが、二人の甘々な恋愛模様に気を取られていて気づきませんでした。

一つだけ言えるのは、この結末がハッピーエンドだということです。

胸が熱くなりながら「あーよかったなあ」と本を閉じました。

3、こんな人にオススメ

・恋愛小説を読みたい人
前半は完全な恋愛小説です。若者の言葉を借りるなら「キュンキュン」します。

・ペットを飼っている人
理由は、読めばわかります……。

・しばらく恋愛をしていない人
きっと恋愛をしたくなります。

なお、松本潤さん、上野樹里さん主演で映画化もされました。真緒役として上野樹里さんはナイスキャスティングです。

でも、原作を読んでから映画を見ることをお勧めします!!


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