いつも心にリリーフ魂を(真顔)
皆さんはなぜ野球が好きなのだろうか?
私は一言。「野球に人生哲学を学ぶから」だ。
例えば、中学生時代から人格の核になっている学び
「いつも心にリリーフ魂を」
私は小中高大と進学して大人になった。
そして今プロ入り13年目の歌手だ。
最近も言われたし、よく浴びせられる言葉。
「初めて会った時のこと?覚えていない」
「万里奈ちゃんのインパクトは薄かった」
存在感がない。
それが私にとっては人間としても、歌手としても、コンプレックスだった。
だって、歌手だ。芸能界だ。
良くも悪くも記憶に残ってナンボの世界。
炎上商法という言葉も流行って久しい。
無責任な大人に、
「もっと過激なことを言った方がいいんじゃない?」とか、
「たまには暴露もしてみたら?」とか言われたこともあったっけ。
でも、本当に?
そうなのか?
今まで何度も自分に問いかけた。
答えはNOだ。
少なくとも、私の人生においては。
それを教えてくれたのは、リリーフ陣だった。
江草仁貴投手、三瀬幸司投手、宮西尚生投手、平井克典投手、島内颯太郎投手、山田修義投手、小野郁投手、坂本光士郎投手、三浦瑞樹投手(盛岡大付時代)・・・
書ききれない。
中学生時代から、私は彼らみたいになりたかった。
リリーフ陣は、トップニュースにならない。
「〇〇投手が無死満塁のピンチを無失点でしのぐ!」
という報道が、その前後の
「〇〇選手のタイムリーで勝利!」のボリュームを上回ることはない。
でもそれでいい。
それが仕事の証。
それがかっこいい。
しびれるんだ。
かつて、関西学院大学ご出身の偉人・鉄腕リリーフ左腕・宮西尚生投手(日本ハムファイターズ)は、こうおっしゃった。
それでも年間なん十試合と投げる。
ひたすら自分の仕事を全うする。
殊勲打の前段階には、
得てしてリリーフ陣の三者凡退によるリズムメークがある。
大ピンチからの火消しがある。
たとえ誰も話題にしなくても。
他にヒーローがいても。
圧倒的主人公じゃなくても。
そうして着実に仕事をしていれば、
ちゃんと届く人には届く。
だって話題性というわかりやすい報酬がない中で
それでも流されず諦めず折れず生み出し続けたものって、
とりわけ純度の高い「逸品」だろ。
そんな職人に私はなりたい。
センセーショナルな話題はなくても、
いつも河野万里奈の歌を聴くと救われるよな、とか。
代わりがいないよな、とか。
なんか人生が組み立つんだよな、という。
安心して日常のプレイリストに起用されるような歌手でいたい。
脇役か?地味か?影が薄いか?価値が低いか?
そんなことはどうでもいいんだ。
私は、何でもいいから人気者になりたくてこの世界に入ったわけじゃない。
歌で自己表現をしたくて、
歌でなら本当の会話ができるから、
歌手になったんだ。
そういう人生なら、
大切なのは、自分がどんなパフォーマンスをするかだ。
何を言われても、いやむしろ何も言われなくても、
ジタバタするな。
時代が変わっても、
年をとっても、
死ぬまで私はこの哲学を大切にするだろう。
野球を見ての自己解釈にすぎないけれど、
彼らよりずっと色んな意味で小さな女性歌手に、
リリーフ陣がくださった、お守り。
「いつも心にリリーフ魂を」
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