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8月4日 3ヶ月前までわたしは元気だった

何も考えずにおへそをかいていたら、肌が赤くなってしまった。そうか、つい3ヶ月前に切ったばかりだもんな、と思うなどする。なんだかすごく昔のことみたいだ。3ヶ月前までは元気だったのだ、わたしは。

金曜は微熱と吐き気で本当につらくて、癌になってから初めて、体調不良起因で仕事を休んだ。吐き気がある中で、抗がん剤カペシタビンを朝夕5錠ずつ飲まなければならないのが心底苦痛だった。体調不良は風邪だったのか、抗がん剤の副作用だったのかは未だによくわからない。今は、家の薬箱から発掘された葛根湯と、プリンペランという『Bling-Bang-Bang-Born』の亜種のような名前の吐き気止めでことなきを得ている。薬の飲み合わせに問題がないかは、病院に電話して確認した。来週はこれでなんとか凌ぐことにする。

金曜は、スープ定期便の友人へ体調不良の旨を伝えたところ、Amazonお急ぎ便でお粥やらゼリーやらの救援物資が送られてきた。土曜は夜の散歩ついでに、先日ドライブに連れて行ってくれた友人夫婦の店に、ごはんがてら小1時間ほど顔を出した(彼らは都内でとてもイカした飲食店をやっている)。今日日曜は、祖母から南部鉄器と恐怖の近影が届いた。“湯垢づけ”の後に作った白湯は、電気ケトルで沸かしたお湯と比べて明らかに口当たりがまろやかで、嬉しい発見。夕方は、昨晩カウンター越しに会った友人が、家にうどんを持ってきてくれた。その後、近所の友人と一緒にドトールとダイソーへ行った。友人は、また彼女とケンカをしていた。わたしはダイソーでアロエ化粧水とシミ対策の美容液を買って、友人と別れて本屋へ寄ってから家に帰った。

かわむらの愛すべき友人たちのことなど👇

3ヶ月前までと比べて、いったい何が変わったのだろう。なんだか、昔からこんな生活を送っていたような気もする。わたしはずっと人には恵まれていて、身体はちょっとだけ弱くて、もう少し浮いた話はあったような、なかったような、とにかく今はそんなことは心底どうでもよくて、なんかもうよくわからないや、過去には戻れない以上、昔を覚えておく必要なんてないから。

明日からまた1週間が始まる。お盆前に終わらせておきたい仕事がたくさんある。ふと、今の会社に転職が決まって、朝に渋谷の街を歩いて会社に向かう晴れやかな自分の姿を思い出した。それは、つい3ヶ月半前のことなのに、もう何年も昔の記憶のようだった。わたしはそう遠くないうちに、その日の自分を忘れてしまうだろう。

右足のかかとにシミができている。抗がん剤の副作用だ。さっきダイソーで買ったシミ対策美容液を手に数滴垂らして、気休め程度に塗り込んだ。


91歳の祖母から送られてきた近影。おい嘘だろ


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かわむらまみ
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