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大河「光る君へ」(32)誰がために書く

 今回はとある同窓会(なんと31年ぶり!)のためリアタイできませんでした。いやー楽しかった。Twitter(x)のタイムラインをぐぬぬと眺めた後の録画視聴もたまには乙なものです。
※「源氏物語を読みたい80代母」のための企画です。最終回までこの形式で続ける所存。思いっきりネタバレ全開なのでご注意くださいまし。
お喋り役の平安女房ズは以下:
右近(右)、侍従(侍)、王命婦(王)、少納言(少)

侍「ねえねえ右近ちゃん」
右「なあに侍従ちゃん」
侍「倫子ちゃんさー、気づいたと思うー?道長くんとまひろちゃんの関係」
右「突然の倫子ちゃん呼び(笑)んー、道長くん案外サラっと予想通りの理由付け(=公任から聞いた)してたけど、最後いただけなかったわね。倫子ちゃんが
『まひろさんのことはよく存じておりますゆえ』
 のところでもうひとこい、
『あーそういや倫子のところに一時来てたんだっけ?どんな感じだった?』
とか何とか『俺はよく知らんけど』アピールをしとくべきだった。詰めが甘い」
侍「右近ちゃん!まさにそれよアタシの言いたいのも!!あの時の道長くん、エー俺の方がよーく知ってるんだもーんまひろのことは、的な顔してたヨネ!」
右「バカなのかしら(直球)。ただ、倫子さまがそれ見てどう思ったかは映らなかったからわかんないのよね、今のところ。まったくイケズな演出だわ」
王「名案ですわ!さすがは殿!と持ち上げられて道長くんコロっと油断したわね。つくづく素晴らしいお方よ倫子さまは」
少「私、倫子さまの『よく存じております』のセリフで背筋が寒くなりました……何をどうご存じなのか……すごく含みがあるような気がしてしまいますの」
王「そうね。
『まひろさんのことはどういう人か知っているけれど、殿のお気持ちははかりかねますわね。これまで私を含め女のかたにはさほど興味関心をお持ちでないように拝見しておりましたのに、どうしてまひろさんには?』
と言ってる……かもしれない」
侍「ヒッ……」
右「あーもう脇が甘い甘すぎ道長くん!」
少「どうであれ倫子さまは中宮彰子さまのお幸せを第一にお考えですから、きっと全力でまひろさんをバックアップなさいますわ。それは確かなことだと思います」
王「道長くんに切れるカードをまた一つ手に入れた、ということでもあるしねフフっ」
侍「ま、またまたまたア王命婦さんたら!(怖ええよ!)」
右「それはともかくまひろちゃんは大出世よね。中宮様づきの女房なんて、ハイクラスしかいないとこに『帝のお気に入り作家』として突っ込まれるとか凄すぎる。為時パッパの言う通り、家の誇りといって間違いないわ」
少「為時さま、初めて『お前が女子でよかった』と仰いましたわね。まひろさん、ご自身の才とたゆまぬ努力とでこの評価を掴み取られたのですわ……胸が熱くなりました」
侍「たださー賢子ちゃんはちょい可哀相だよね。ホントは寂しいのに素直に言えないみたいな感じ。道長くんのオススメに乗って、女童にしちゃったらいいのにー。きっとすっごくカワイイよ賢子ちゃん!」
王「……まあ、そういうのもまずまひろちゃんが宮中生活に慣れてから、かな」
少「後ろ盾の十分でない宮仕えは大変ですものね……まして特別枠なれば尚のこと」
右「ズラ―っと並んだ先輩がたの圧すごかったもんね……」
侍「ちょちょちょっとオ!不穏なんですけどー!っていつものことか☆また来週ー!」

 さあついに、来週はまひろ→「藤式部」爆誕ですね。あのオソロシゲな女の園で、微妙に空気の読めないまひろはうまくやっていけるんでしょうか。
「源氏物語」が広まった流れ、私のイメージでは「まず女房達の間で評判に」→「中宮彰子も夢中に」→「流行ってるんだあどれどれと読んでみた帝も感心」という感じなんですが、今大河ではいきなり帝から始まる形なんですね。なんと大胆な。とはいえ「源氏物語」執筆と継続があくまで道長主体のプロモーション戦略だと考えると、そうであってもおかしくはない気がしてくる。実写ドラマの妙味。
 一方「内裏の火事で帝と中宮彰子が二人で逃げた」といういかにもドラマオリジナルっぽいエピソードは史実だといいます(ただし、ドラマのように帝が助けにきたわけではなく、元々一緒にいることが多かったから火事の際もそのまま行動を共にしたのでは?とのこと)。
 何にせよこうして映像で見せられると、
「これで二人が男女を意識するきっかけになったのでは」
 などと思わされちゃいますね。同じ炎の熱さを感じつつ、手を取り合って避難する、という共通体験は「吊り橋効果」も相まって中々のインパクトだったに違いない。この先の展開にドキドキです。
 今回は各日記に載ってるエピソードテンコ盛りでした。すごいなあ。紫式部初出仕の日も書いてる。

 それと女房ズの会話に盛り込み忘れましたが(だって盛りだくさん過ぎるんだもんよ)安倍晴明の死!呪詛も祈祷も人の心のありようだと喝破している晴明もまた、言の葉遣いの非凡な才能持ちだったんだろうな。

 偉大な「拠り所」を失った道長がこれから何を支えに権力者としての地位を固めていくのか、そこら辺も楽しみです。いろいろ心労多そう。
 ではではまた来週ー!
<つづく>

「文字として何かを残していくこと」の意味を考えつつ日々書いています。