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さまつについて

「早松茸」と書き、略して「早松(さまつ)」、よりメジャーな名前は「バカマツタケ」。※1
昨年の盆踊り準備中のことです、「“さまつ”が生えるところを知っているから、出たら連れてってやる」と農家組合長さんに声を掛けられました。
こちらとしては「“さまつ”って何?」状態。聞くと松茸によく似たキノコで、松茸より早い時期に出るらしい。松茸は赤松の周辺だが、こちらはナラやシイなどの広葉樹林に生えるとのこと。
ところがこの年は“さまつ”がまったく出ず、結局行けずじまいでした。
用意していた原稿もボツに・・

ところが今年はちょっと様子が違ったようで、先日このブログで寄稿を募ったところ、早速前組合長さんから原稿と写真をいただきました。(ありがとうございます!)
なんかもう、すごい豊作だった模様。写真を見て軽く衝撃を受けました・・・。

※1ここらで『さまつ』と呼んでいるキノコと『バカマツタケ』は違うもの、とのご指摘がありました。
どちらも広葉樹林に生えるのですが、『さまつ』は香りがほとんどなく、『バカマツタケ』は本家と同等かそれ以上に香りがあるとのことでした。


以下、農家組合長(当時)さんからの寄稿文

この原稿は10月4日から書いています。
なぜこの日なのか?
おふくろの日記帳によると、前々年は9月7日に山でさまつを取ってきていると記しています。
すでに約1ヶ月が過ぎていますが、今年はまだ音沙汰がないのです。

さまつはこの地方の呼び名で川上区ではそう言えば誰もが解ります。
「FB 福井の里山・奥山きのこ図鑑 福井新聞社発行」によると、「キンシメジ科 バカマツタケ」と書かれています。
この出る季節は何拍子か揃わないと出ないと言われています。
一つに秋になり天候が雨、そして晴れの日がきのこの菌に発育をうながす事。
二つ目に山の林(栗、しい、どんぐり、赤松)が順調である事。
現在、赤松、ぶな、どんぐりの木は段々川上区も枯れています。
三つ目は里山の観察です、「狐のたいまつ(彼岸花)が咲く、きんもくせいが咲く、」山では毒キノコ「シロオニタケ」が開く、その他、食不明のきのこが出ている事。
あとはシイの実が落ちるころ、と言われています。

川上区のさまつも、地球の温暖化(天候異変 今年は暑かった)により、さまつもマツタケも一昨年、昨年と不毛作?に等しく、秋ならではの里山の収穫も段々と少なくなっています。(米は猿に虐められ、栗、柿もまた猿に、今後の晩秋の野菜も猿か?)
しかし10月4日現在のシロオニタケを見ると今年はなんか有りそうな予感がしました。
もしかして・・・?

目安その1:狐のたいまつ(彼岸花)
目安その2:シロオニタケ(10月4日)

シロオニタケ
夏〜秋、シイ、カシ林、クヌギ、コナラ林などに発生する、大型菌。全体が白色、傘は表面に多数のいぼが輪状につく。柄の下部はこん棒状に大きくふくらみ綿状〜とげ状の鱗片に覆われる。ひだはクリーム色、やや密、つばは絹質〜膜質、大型で白色、傘が開くと同時に落ちる早落性。柄にはほとんど残らない。食毒はわかっていない。(福井の里山・奥山きのこ図鑑より)


開いた状態のシロオニタケ(10月10日)

10月10,11日 シロオニタケも10日現在、完全に開いています。


有りました!
二年続けて出なかったせいか、沢山出たように思います。
写真を見ていただければ判ると思います。

さまつ、マツタケに良く似ている種類が有ります、素人判断は厳禁です。

【さまつの特徴】
1.マッタケより早く出る
2.約1週間で写真のようになる。日もちが悪い(早く腐る)
3.根は浅く、マツタケより軸が細い。香りも少ない

  (前述の図鑑には「においが強い」とあります)
4.仲間が多い(固まって出ることが多い)
5.ほとんど同じ所に出て範囲は広がらない。筋で出るとは限らない
6.鹿、猿、猪は食べない

(八兵衛)

元記事の投稿日時 2010年10月14日 (木) 12:52



こちらは松茸