されど時代劇。
映画『侍タイムスリッパー』を観ました。
「役者は、本物にはかなわないのか。」
以前からドキュメンタリーを見るたびに思っていたこと。
この映画でも考えさせられるとは。
侍が現代にタイムスリップしてきて、ひょんなことから時代劇の斬られ役になる物語。
侍としての日々の暮らし、主従関係社会、いつ斬られてもおかしくない環境、そこで生まれた志や信念。
侍の生き様に、引き込まれていった。
"その時代に生きた人々を想う"ということ。
時代劇(に限らず言えることだがー)を作る時、その気持ちがどれだけ大切で重要なことか。
その本気度。
沸々とした熱量。
この映画に参加した人々は、今後の作品づくりに対する姿勢や向き合い方を改めて考えさせられたのではないだろうか。
なんという幸せ。俳優として羨ましく思う。
低予算でも、気持ちの込め方やその具合で、人の心を動かせることを証明しているかのような映画だった。
ラストの、命懸けの撮影シーン。
張り詰めた空気。
真剣がぶつかり合う音。
そして、涙。
心が震えました。