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このタイプの包丁はこっちではそんなに使われていない

古道具屋を巡回していて、よさげな刃物があると大体買うてしまう。安いし。だからうちには出刃小出刃柳刃牛刀その他がかなりの数ある。研いでそのまま仕舞う。普段は宮文の牛刀を使っている。いつも研いでいるのもそれ。古道具屋に出てくるのは柳刃と出刃が多い。あんまり使われてない。一般家庭から出たものだろう。本職のところから程度のいい包丁は出てこない。本職の包丁は消耗品なので研いで使って研いで使ってちびて用無しになって廃棄される。一般家庭で出刃や柳刃はそんなに出番もない。そこらから程度の良い品が出てくる。
江戸時代あたりの日本刀がごろごろ残ってるのはそんなに実用してなかったからだ。実用品の刃物で昔のものは残らない。今日も研いで使って減ってそして捨てられる。
冬の間は水が冷たいので包丁研ぎをしていない。お湯でやればいいのだけど、水仕事がもうめんどくさいのでしない。水をそのままさわって心地よい季節になったら頻繁にやる。そういうわけで普段使いの牛刀、切れ味がかなり悪くなってるなあと確実にわかったのは長ネギを細かく切ってる時に涙流しの素がぐいぐい出てきたから。カツオのたたきもぼろぼろなりやすいなあと思いながら使ってた。
まだ研ぎたい季節でもないので、以前に買って研いであった包丁を出す。古道具屋巡回で柳刃はかなりみかけるがこのタイプはこっちではそんなに使われていない。

蛸引包丁

研いであるのでとても切れ味がよかった。器用にかつおのたたきを今切ってきたそして食べたお昼ご飯。
包丁を研いだあとは、キッチンでなにか切りたくなる。とても切りたくなる。名刀を手に入れたクソなサムライが「斬ってみたいのう」と辻斬りをする、時代劇でよくあるあの感覚がとてもわかるので、よいこのみんなたちも、研ぐに値するいい包丁を買って、研ぎ生活をenjoyするといいと思う。どうせ一般家庭なのだ、いい包丁を買ったところでそれはほぼ一生使えるのだから、はやいうちに買っておくといいです、そして砥石も買うといいです。刃物研ぎは楽しいです。

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