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しまむらの逆襲/ファイバーヒートvsヒートテック
師走の声を聞き、今年も寒くなってきた。
9月頃の予想では冬が来ないはずだったが、すっかり冬めいてきた。
ところで、
冬といえば「あったかインナー」だ。
「あったかインナー」といえば「ヒートテック」というステレオタイプがある。
ヒートテックといえば言わずもがなでユニクロの超弩級大ヒット商品。
だが、最近のセオリー・ユニクロ・GU連合はもはや庶民の方角を向いてはいない。
世界を股にかけて展開するようになってからというもの、株主の方角を過度に忖度している。
結果、ユニクロは商品価格の値上げを株式配当に転化する路線が顕著だ。
この文脈において、ヒートテックからかつての割安感は雲散霧消した。
とかごちゃごちゃいっているが、筆者が言いたいことは次のように要約できる。
筆者は、
「しまむら」が大好きだ。
今も「しまむら」の「あったかインナー」で身を包みながら言の葉をホンワカと綴らせていただいている。
「しまむら」が独自開発に成功した「あったかインナー」。
その名は「「ファイバーヒート」」だ。
あったかインナー勢力図
企業名 製品名 シェア
ユニクロ ヒートテック 6割
しまむら ファイバーヒート 1割
シェアはヒートテックの「6割」に対し、ファイバーヒートが「1割」。
だが、ユニクロの牙城を僅かにだが確実に切り崩していることに間違いはない。
わけても機を見るに敏な女性たちの間で「ファイバーヒート」愛好者が増加している。
「何か」を女性たちは嗅ぎつけたのだろう。
きっとファイバーヒートには魔性の力が秘められているのだ。
実際、筆者もファイバーヒートに寝返ってから「運気」が目に見えて変わった。
万年マイナストレンドだったフォロワー数が横ばいへと上昇した。
ファイバーヒートはしっとりと心も暖めてくれるのだ。
しまむら/ずっと庶民派
「しまむら」ほどブレがないアパレル屋さんは他にない。
大昔から今に至るまで「庶民派」のレゾンデートルを大切にしている。
例えば、レジ袋はいまも無料だ。
すっげえ大きな「サンタレジ袋」にしてもらっても無料。
「おいおい、それ大丈夫?」と思ってしまうほどの大盤振る舞いだ。
ぜったいに、庶民に負担はかけてはならない。
しまむらからは、
そうした決意がひしひしと伝わってくる。
「クツ」/しまむらの隠し爪
しまむらの隠し球にして真骨頂は「クツ」だ。
最近は株主重視主義・合理化の波で、多くのアパレルでサイズ展開が全体として大きくラフになっている。
「売れるサイズをたくさん作る」
それは「短期的な株主利益」のためには正しい。
だがしかし、ニッチなサイズの足の持ち主にとってはたまったものではない。
筆者は朝も夜もとくに夜は男だが、クツのサイズは23.5センチ。
クツのサイズが23.5センチ。
クツのサイズも23.5センチ。
子供の頃に「特殊訓練」を受けすぎたことに起因するサイズの小ささだ。
「少林寺木人拳ごっこ」とかしなければ25センチはいったはずである。
男のくせしてクツのサイズも23.5センチ。
だから基本的に、応用的にも筆者のクツはどの靴屋にもない。
だが、しまむらさんだけには立派なクツが置いてあるのだ。
「しまむら」のレディースシューズはバリエーションが豊富であり、
女の子女の子したシューズから宝塚経由バンコラン風情のシューズまで幅がとにかく広い。
「男でもはける」
硬派でありながら洗練されたクツが小さなサイズから「大展開」されているのだ。
だから、小さな足の男性で「しまむらシューズ✨」を愛用している子羊は非常に多い。
というよりも、「しまむら一択」なのが現状だ。
このように、しまむらはニッチなニーズに応えることをコツコツコツコツと足し算することで、庶民の信頼を勝ち得ている。
少なくとも筆者は「しまむら」を信頼以上信奉未満で「愛して」いる。
しまむらの凄み/むっちゃ遠くてもお客さんがやってくる
筆者は月に一度「しまむら」に足を運ぶ。
その度に感じるのだが、本当に遠くからお客さんがやってきている。
例えば、
筆者は家から65分かけて「しまむら」に通っている。
このように、
しまむらはそのイメージの大きさほど店舗の数はない。
しまむらはユニクロのようなワンサカ出店戦術は採用せず、大きな店舗を選りすぐりの立地に1つ1つ置いていく戦術を採用しているからだ。
しまむらの1つ1つコツコツ戦術は非常に勇気がいる。
なぜなら、ユニクロがこれでもかと店舗数を拡大していく中では、お客さんを掻っ攫われる恐怖が付き纏うからだ。
だが、しまむらは見事に健闘している。
1店舗1店舗コツコツ戦術
商品とサービスに自信がなければできない「王者の戦術」だ。
遠くからお客さんを呼べる商品とサービス。
その象徴が「ファイバーヒート」と「ニッチサイズのクツ」なのだ。
コツコツの重要性/しまむらの努力
筆者は合理的かつ打算的だ。
カネにうるさい。
1円でも安い商品を買いたい。
自分が得をするのは大好きだが、他人が得をするのは大嫌いだ。
だから「しまむら」のファイバーヒートを買っている。
あまり知られていないが、
ファイバーヒートを買うと、他人が得をするのを阻止できるのだ。
ファイバーヒートを買うと、他人が得をするのを阻止できるメカニズム。
「秘蔵の叡智」をここに本邦初公開しようではないか。
しまむらのファイバーヒートを買う
↓
ユニクロのヒートテックを買わない
↓
ユニクロの税引き前利益が減少
↓
ユニQの株主配当が減少する
↓
ユニQの株主が得をするのを阻止
このように、
しまむらのファイバーヒートを買うことによって、グローバル投機筋にいっぱい食わせることができるのだ。
ローカルからグローバルを殺す秘術
案外知られていないが、グローバルの投機屋というものはとても脆い。
単純にローカル経済を少し刺激するだけで、
短期的利益を狙った投機筋はおまんまの食い上げになる。
かたや「しまむら」はローカル経済の象徴だ。
かたや「ユニクロの株主」はグローバル経済の象徴だ。
「しまむら」で素晴らしい買い物をしたらば、おまけで、カネの亡者たちにいっぱい食わせられる。
心まで温まるインナーを獲得した上に、日本の経済成長に何ら寄与していないグローバル投機屋を淘汰できる。
グローバルな一石二鳥が「しまむら」にあるのだ。
外抜けのユニクロと国内循環の「しまむら」
ユニクロはもはや庶民のアパレルではない。
ユニクロは株主のためのアパレルだ。
よって、金融所得を糧にする株主がユニクロの服を買うのは理にかなう。
服購入で高い金を払っても、株主配当で取り返せばいいからだ。
しかしながら、
金融所得を糧にしない一般労働者がユニクロの服を買うのが、筆者にはまったく解せない。
服購入で高い金を払っても、株主配当を受け取れない。
自分ではないグローバル株主のために高い服を買っている。
筆者にはまったく解せない行為だ。
グローバル株主の利益を考えるのも、、、、悪くはないだろう。
だが、少しぐらい、
自分たちの利益を考えてもいいのではないだろうか?
「しまむら」には自分たちの利益がある。
私は断然「しまむら派」だ。
今日もファイバーヒートで日本と心が暖かくなる。
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