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上半期の穢れを清める-夏越大祓-
「水無月の夏越の祓する人は千歳の命延ぶといふなり」-拾遺和歌集
夏越大祓は半年間の罪穢を祓い、心身を清め、無病息災を願う神事です。川越氷川神社では旧暦に従い、7月31日午後5時より斎行いたします。どなたでもご参列いただけますので、ぜひご家族そろってお越しください。
「夏越(なごし)」の由来
古代律令体制以来、水無月(6月)と師走(12月)の晦日に宮中や民間で半年間の罪穢を祓い清める「大祓」が行われてきました。
特に民間では水無月の大祓が盛んになり、次第に「夏越大祓」と呼ぶようになったとされます。この“なごし”の音は「和す」に由来し、夏に流行する疫病をもたらす疫神の威力を穏やかにさせるという意味が込められています。
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「茅の輪くぐり」の始まり
夏越大祓の神事では、「茅の輪くぐり」、「大祓詞の奏上」、「人形流し」──と幾重にも罪穢を祓う儀式が行われます。
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大祓は全国的に行われている神事ですので、当神社に限らず、多くの神社に茅の輪が設置されます。
左・右・左と∞の字を描くようにくぐった経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
一説に、この参拝方法は八坂神社のご祭神である素戔嗚尊(牛頭天王)が伝えたものとされています。
牛頭天王と蘇民将来
川越氷川神社の茅の輪の中央には「蘇民将来」の文字を掲げています。その由縁をご存知でしょうか。
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背景には、奈良時代初期に編纂された『備後国風土記』*の説話があります。
祇園精舎の守護神である牛頭天王が旅の途中で蘇民将来と巨旦将来兄弟に一夜の宿を求めた。
弟の巨旦将来は裕福でありながらもこれを断り、兄の蘇民将来は貧しいながらも旅人をもてなした。
宿のお礼として牛頭天王は蘇民将来に「これを腰に付けていれば疫病を免れるであろう」といって茅の輪を授けた。
その後、疫病が流行すると、蘇民将来とその子孫は牛頭天王から教わった茅の輪を身につけて災いを免れたが、他のものはことごとく死に絶えた。
この説話が陰陽師などによって広められると、「蘇民将来」と書いた紙を門に貼り付けることで災いを免れられるという信仰が生まれました。
説話によれば、茅の輪は腰につけられるほどの大きさですが、江戸時代を迎える頃には人がくぐれるほどの大きさになり、今日の「茅の輪くぐり」となったとされます。
牛頭天王についてご関心のある方は、以下の記事をご一読いただければと思います。
水の浄化力で心身の穢れを祓う
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神事の終盤には人形流しを行います。紙製の人形に心身の穢れや災いなどを移して、川に流すことで罪穢を祓い清める儀式です。
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茅輪御守で疫病を防ぎ、健康を祈る
ご参列の皆さまには、病気に罹ることなく健康に過ごせますようにとの願いを込め、特別に奉製いたしました茅輪御守の用意がございます。
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身に付ける、または家の玄関に取り付けて、疫神が近づかぬよう大神様の御守護をいただきます。
夏越の大祓には、どなたでもご参列いただけます。ぜひご家族そろってお越しください。