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ゲーム雑誌と『ファイナルファンタジー』の付録

昨年末の資料整理の際、ゲーム雑誌の付録も見つかっている。
『ファイナルファンタジー』の攻略本である。おそらく雑誌の付録を検討するために、参考資料として保管してあったと思われる。
 
『ファイナルファンタジー』は、今から38年前の1987年12月発売された。
各ゲーム雑誌は、開発バージョンのゲームをプレイして、読者に人気が出そうなタイトルを付録にしていたが、前作が売れたタイトルの続編は当然付録になった。

当時スクウェアにいたイラン人プログラマー、ナーシ・ジベリさんが関わったレースゲーム『ハイウェイスター』のスピード感が気に入っていたので、『ファイナルファンタジー』にも関わっていると聞いて期待していた。
開発途中のバージョンをプレイしたが、主人公が街を出で森に入ると、体が木々に埋もれるグラフィック処理を見て感心した。ゲームをプレイしてみると、それまでファミコンで発売されたスクウェアのタイトルにはなかったヒット性を感じた。その後同タイトルは、スクウェアを代表する人気シリーズになる。
 
見つかったゲーム雑誌の付録は、『ファミコン通信(以下、ファミ通)』(アスキー)1987年12月25日号と『マル勝ファミコン(以下、マル勝)』(角川書店)1988年1月8日号の付録だ。『ファミコン通信』は隔週刊(2週間に1度発売)誌だったので、発売日が異なっている。
 
2誌の付録のサイズを比べてみると、『ファミ通』のほうが小さい。同誌は隔週発売だったので、月2回付録が付けられた。ゲーム情報の速報性という点では圧倒的に有利だった。一方『マル勝』は、月刊誌なので、『ファミ通』と差別化するために大きなサイズの付録にしたと思われる。


『ファミ通』に比べて『マル勝』の方が保存して使いやすいようになっている。

ゲーム会社から提供される情報はどの出版社もだいたい同じなので、ゲーム世界のマップ、街、モンスターや魔法等の情報の掲載は、誌面同様付録も各社工夫を凝らしていた。
写真のように『ファミ通』は見開きでマップとストーリー、『マル勝』は1ページを使ってマップを掲載している。


『ファミ通』のマップは名称が記載され、『マル勝』はアルファベットと数字が記載されている。
モンスターや魔法の種類も攻略の重要な情報である。

ゲーム雑誌は、発行部数トップの『ファミリーコンピュータMagazine(以下、ファミマガ)』を含めて、各誌競い合いながら本誌や付録を編集制作していた。しかし、月刊誌から隔週誌になった『ファミマガ』や『ファミ通』は、月刊誌よりも速報性に優れていたため、発行部数では他の月刊誌と差があった。10万部以上あったのは確実だ。1987年末ゲーム雑誌はそんな状況だった。

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