本のない部屋は…
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
先日電子書籍派の知り合いから、部屋に本を置かないことに関する主張を聞いた。
「例えば六畳の部屋に住んでいるとして、書籍が一畳分を占めていたら、家賃の1/6を無駄にしていると同じではないか」
だから買った本は全てクラウド化して、電子で読めるようにすることが合理的だと言う。
少なくとも、部屋をシンプルに整理整頓すべきという点は同意する。部屋が汚いは心が荒れていると言われるように、散らかった部屋ではスッキリできない。
実家にいた頃、近藤麻理恵さんの「人生がときめく片付けの魔法」サンマーク出版を読んだ。その際『パッケージの文字は見えないようにする』的なことが記されていた。
洗剤や消臭スプレーなど、企業名や派手なシールが付いたままでは、いくらものが少なくても目立ってしまう。取り外してみると確かにシンプルで中立的になる。
本棚に並べる際もブックカバーを外すという方にお会いしたことがある。モノクロや単色の方が部屋が落ち着いて良いのだと言う。
しかし部屋から本がなくなったら、自称読書家にとっては辛い。
お勝手を除いて、部屋の家具はベッドと小さな机、本棚とハンガーラック程度。ここから本棚をなくしたら、もはや独房である。
この部屋で唯一色のあるものが本である。
それを全て電子にしてしまったら、部屋も心もモノクロになりかねない。
共和政ローマ末期の政治家 キケロが残した言葉にこんな名言がある。
A room without books is like a body without a soul.
「本のない部屋は、魂のない肉体と同じだ」
いやはや先人は素晴らしい言葉を残している。自分の個室に本があるのは、肉体に魂があるように、人間の支えになるはずだ。
……いやむしろ、全て電子にしてしまった方が内側にあると言う点で魂に近いのだろうか? 持ち運びもできるし。
でも魂はUSBのようには持ち運びできないか。小林泰三さんの「失われた過去と未来の犯罪」KADOKAWAではあるまいし。
紙の本派の反駁。それではまた次回!