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目の前のものに感動する

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

突然ですが「森の戦士 ボノロン」をご存知だろうか。

ボノロンは巨木の森タスムンに住む森の戦士。オレンジ色でとても大きく、正義感の強い9才の男の子。悲しんでいる人が巨木に涙を落とすと、根を伝ってタスムンの森に届く。涙の理由を聞いたボノロンが、困っている人の背中を押してあげる。

現在セブンイレブン系列で偶数月15日に発行され、絵本が無料で配布されている。

以前読書会に参加した時に、なかなか手に取らないよう本を持ち寄っていた人を思い出し、昨夜ふと置いてあったのを手に取った。

2022年12月号は「ジペンと雪の精の巻」

ジペンは町に住む男の子。友達のエリカちゃんが引っ越してしまい、悲しくて泣いていたところにボノロンが現れる。

話を聞くと、勉強もかけっこも苦手だが、似顔絵がとても上手でエリカちゃんだけはいつもとても上手いと褒めてくれた。そんな彼女にもう会えないのが悲しいと。

一つだけ願いを叶えてあげるというボノロンの言葉に対して、ジペンは「おとなになりたくない!」と言う。

「パパとママにいつも言われるんだ。おとなになったら一人でいきていかなきゃならない。なにもできなかったらいきていけないぞって。だから、おとなになりたくないんだ!」

それならばと、ボノロンは一つ提案をする。

「今度雪がふったら、またここにくるロン」

後日雪が降った日、ジペンは巨木へやってくる。そこに現れたのは、息を忘れるほどの美しい女の子、雪の精だった…。

美しいものを見た時、人は感動する。

感動は文字通り人を動かす。

だが日々の忙しさや単調さに慣れてしまうと、目の前に広がる美しいものにも気づかなくなってしまう。

大自然や名作を観に行くことだけが感動を呼び起こすわけではない。日々のちょっとしたことにも感動できるようになると、毎日が楽しく感じられる。

駅のホームから見た道路
夕方のマジックアワー
仲睦まじい親子
おいしい料理
心の琴線に触れる言葉

美しいものは人の心を前に進める。
だがそれを美しいと感じないかぎり、ただの風景と化す。

人として当たり前なことを思い起こす、いい作品でした。それではまた次回!

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