読書記録「かわいすぎる人よ!」
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
今回読んだのは、綿野マイコさんの「かわいすぎる人よ!」KADOKAWA です!
・あらすじ
神保町は「PASSAGE」にて陳列されていたのをきっかけに知った作品。お試し版を読んでから、あまりの「尊さ」に購入した次第。
こういう、突如として「おじさん」が身内(あるいは連れ子)の女の子を引き取る物語は、これまで何度か読んできた。
小説だと瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」、ライトノベルになるが松智洋さんの「パパのいうことを聞きなさい!」だとか。
漫画だと宇仁田ゆみさんの「うさぎドロップ」。当時、ノイタミナ枠でアニメを見て以来、全巻大人買いしたほど好きな作品だ。
大抵、こういう作品に登場する「おじさん」って、どこか抜けていて、むしろ子どものほうがしっかりしている。
「かわいすぎる人よ!」においても、「おじさん」こと藤波史郎は、顔こそ美形ではあるが(表紙だけ見ると女性かと思うくらいに)、ちょっとどこか抜けている。
一方で、藤波メイはとてもしっかりしている子。ときには、美形のおじさんと比べられて凹むことはあるけれども、人のことを純粋に慮れるいい子。
それゆえに、色々な人から愛されるタイプ。
そんなメイに対して「おじさん」は、親バカならぬ、メイ馬鹿過ぎる。
一緒に買い物に行ったり、突然雨が降れば学校に傘を届けに行き、なるべく留守番をさせないようにしたり。
周りからは「過保護過ぎる」と言われようとも、これでもかと愛情を注ぐ。
とにかく、「おじさん」はメイに対して一所懸命向き合っている。
決して「生みの親」にはなれないし、時間が経っても、何が正解なのか、自信は持てずにいる。
だからこそ、愛情を注ぐし、子どももそれに答えてくれる。お互いに支え合って家庭を築いていく。
そして「おじさん」は、子どもが重荷になっているなんて、絶対に言わない。
森宮さんも、瀬川裕太も、河地大吉も、そして藤波史郎も。その子によって自分が犠牲になったなんて、絶対に言わないんだ。
こういう「家族愛」溢れる作品が、好きなのよね。
まだ「おじさん」の過去には明かされていないところもあるし、何よりメイもまだ中学1年生、これからの成長もそっと見守りたい。
なんて言っても、二人があまりにも「尊い」からね!それではまた次回!