読書記録「読書間奏文」
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
今回読んだのは、藤崎彩織さんの「読書間奏文」文藝春秋 (2018)です!
・あらすじ
小学生の頃から図書室に籠りがちな少女。本が好きだから、と言うよりは友だちができない惨めな姿を隠すため。本を開いていれば、顔を隠すこともできたから…。
文学少女を演じていた彼女にとって、徐々に本は無くてはならないものになる。稼いだお金をすべてバンドに費やしてきた日々、仲間たちとのルームシェア生活やはじめての小説執筆、妊娠中や出産後の想い。
辛い時、哀しい時、イライラした時、悩んでいた時も眠れなかった時も、彼女の人生にはいつも本が寄り添ってくれた。
そんな彼女の日々の想いを、彼女を支えた本と共に記す。
タイトルと目次に惹かれて何の前情報もなく手に取った本だが、著者 藤崎彩織さんは人気バンド「SEKAI NO OWARI」のピアノ担当 Saoriさん。初の小説「ふたご」は直木賞候補に選出されたため、ご存じの方も多いかもしれない。
この本は藤崎さんの読書感想文ではない。
セカオワのひとりとして、
小説の作り手として、
お母さんとして、娘として、
そして、女性として
悩み、葛藤する日々に共感し、心の支えとなった本の存在を書く。
「あなたにとって本の価値とはなんですか」と問われても、はて私にとって本の価値とは一体何であろうかと、言葉にすることは少ないのではなかろうか。
(自称)読書家にとって、本は身近にあるものであり、自然と紐解いてしまうものである。
それこそ藤崎さんのように、最初は人目を避けるための、逃げるための読書だったけれども、いつの間にか文学や物語が私を支えている。
人によっては、小説や文学というものは気休めに読む本だと仰る方もいる。
だが、文学だからこそ伝えられるものがある。物語の何気ない言葉が、私を励ます。
誰かの心に言葉を届けたい。そんな想いを胸に今日も書く。
未だに一番の読者は私自身であるが、いつの日か私の言葉が誰かの心に届くように。
だから今年も沢山の本を読もう。誰がなんと言おうと、物語が私の心の支えになっているのだから。それではまた次回!