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【東京道路奇景ガイド#14】隅田川直上で分岐 両国ジャンクション

「東京道路奇景」とは、東京の道路が織りなす不思議な風景です。

今回は、その実例として、両国ジャンクションを紹介します。


■ 両国ジャンクションの概要

両国ジャンクションは、首都高の6号向島線から7号小松川線が分岐する場所です。東京都心から東北道や常磐道、京葉道路に向けてドライブしたことがある方は、ここを通ったことがあるでしょう。

ここの大きな特徴は、高架橋が陸上ではなく、河川(隅田川)の真上にある点です。隅田川は、水上バスや屋形船が行き交う重要な水路です。そのような「橋脚を造りにくい場所」に、高架橋を通し、しかも分岐させているのです。

そのため、高架橋の構造がやや複雑です。6号向島線の高架橋は、隅田川の西岸から東岸までをなめらかに結ぶため、S字を描いています。いっぽう7号小松川線の高架橋は、隅田川から分岐する人工河川(竪川・たてかわ)の真上を通っており、上を通る高架橋(6号向島線下り)と下を通る高架橋(6号向島線上り)と接続しています。

ちなみに、ここでは「上の高架橋がケーブルを介して下の高架橋を吊る」というめずらしい構造が存在します。7号小松川線上りの高架橋と、6号向島線上りの高架橋の間は、ケーブルでつながっています。

両国ジャンクションのケーブル。上の高架橋が下の高架橋を吊っている

■ 隅田川沿いの遊歩道から見上げる

両国ジャンクションを鑑賞するうえでおすすめしたい場所は、隅田川東岸沿いの遊歩道です。ここに立つと、川の真上で左右に分かれる高架橋を真下から眺めることができます。

遊歩道から見上げた高架橋
隅田川を通る屋形船と両国ジャンクション。高架橋がS字を描いているのがわかる
竪川を渡る遊歩道から見た分岐点。左は7号小松川線、右は6号向島線
竪川の真上を通る7号小松川線の高架橋

■ アクセス

竪川水門近くの遊歩道

JR総武線両国西口から徒歩10分
都営地下鉄大江戸線両国駅A5出口から徒歩15分


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川辺謙一@交通技術ライター
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