来店の習慣化をうながすコンビニ商品とは?
前回の店頭へ誘導するしくみとして、書店×アプリの連携をご紹介しました。
では、書店以外の小売店では、店舗に足を運んでもらうためにどんな工夫を行っているのでしょうか?
お住まいの地域にもよりますが、よく足を運ぶ小売店といえば「コンビニ」ではないでしょうか。
立地や個食の充実、チケット発券やATMなどのシステム等を利用する際など、コンビニは利用シーンが多くあります。
今回はコンビニ利用の習慣化を促す「ある商品」について深掘りしていきます。
コンビニ利用者のうち2人に1人が購入している「ある商品」
それは、コンビニで数年にわたって拡充され、よく話題になる商品群でもある
「チルドスイーツ(冷蔵スイーツ)」です。
2023年に行われた調査によると、コンビニ利用者のうち、冷蔵コーナーのスイーツ購入者はコンビニエンスストアの利用者のうち約55%を占めています。
コンビニ利用者の2人に1人は「冷蔵コーナーでスイーツを買ったことがある」ことになるのです!
そして、この傾向は近年ずっと続いています。
チルドスイーツはその日のうちに食べきることを前提に販売されているものも多く、また、季節限定のフレーバーや限定商品など、新しい味を試してみるという楽しみ方もあります。
チルドスイーツのように消費が早く、かつ習慣性のあるアイテムは、「日に何度も」「週に何度も」訪店するきっかけになります。
こういったスイーツ(スーパー・コンビニ購入)に使う平均金額は2022年に【208円】と過去13年間で最高額となっています。食品市場全体の値上げ等で「購入者のスイーツにかける消費金額が増加している」一方で、「コンビニの冷蔵コーナーでスイーツを購入する」利用者はほぼ横ばいの状態です。
そのため、値上げ等で高額になったとしても、「スイーツを購入するという習慣」が定着している、と考えられます。
小売は昨対比4か月連続売上増! 店頭へ戻る人流
こうして人の流れが店頭に戻りつつあるなか、「自店舗に足を運んでもらうか」の重要性は増してゆきます。
私が流通関係者にヒアリングしてみると、流通・小売側が提案を望んでいるアイテムとして「流通限定企画品・専売商品」を挙げています。
「その流通でしか購入できない」商品は、来店動機になり得ます。
昨今は専門性を打ち出す企業、評判の惣菜をアピールする企業など、それぞれの独自性をアピールする流通・小売が注目されています。
戻った人流をいかに自店舗へ足を運ばせるか、そのために必要なしくみ・商品・サービスは何なのかをあらためて考えていく必要があるのかもしれません。
編集猫 KAURU memo
コンビニスイーツは、メーカーの「この程度のクオリティで良いだろう」という商品開発ではなく、データに基づく商品開発が進んだ結果、いわゆるケーキ屋さんのケーキやスイーツより美味しいということが決して珍しくなくなりつつあります。
配送技術の発達も寄与していますが、
よく売れる>高品質な商品開発が進む>さらに売れるという好循環となって、結果的に来店動機となるカテゴリーとなってますニャ。
これは他の売り場でも参考になりそうですニャね。