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パッケージイズメッセージ #06


名古屋のお土産をいただきました。
駅で売っているお土産と言うと、これは!という銘品もありますが、産地はどこか別の場所といいますか、工場製の量産品で、パッケージだけそれっぽくしてあるものも少なくありません。
これも、最初はそんな感じがしました。
ネコが可愛い。

でも、愛知県産小麦きぬあかりの小麦粉使用
と書いてあります。その土地のテロワール*を感じます。
国産国麦!しかも、愛知県産は珍しい。

どうせ、1%とか、5%入っているくらいでしょと思っていると、、、

55%

が、愛知県産小麦きぬあかりの小麦粉とのことで、ちょっとスゴイかもと予感がします。
開けると、個包装で「Pasco」とあります。パン売り場でちょっと美味しいパン、一工夫のあるパン商品のイメージがあります。パンのついでにこういうお菓子もつくってるのかぁと思うわけですが、、、

袋から出すと、こんな感じです。
ネコの肉球になっています。

可愛いですね。

パッケージを見ると、もともとは『なごやん』という古くからあるお菓子ですが、
原材料(愛知県産小麦粉)、ネーミング(なごにゃん)、形(ネコの肉球)、そして、パッケージに工夫を凝らすことで、
全く新しい魅力が生まれています。


『なごやん』単体だったら、お土産として買われなかったでしょう。
ただ、パッケージでもこうやって楽しそうにツッコミを待っている感じがあると、
いいなと思ってしまいます。
らぶはんさんの記事にある、商品にイラストが付くとよく売れた!というサンリオの源流に、通じるものがありますね。


長く愛されている日常的なお菓子『なごやん』をベースに、
パッケージの可愛さだけでなく、材料や形にも踏み込んでいることも、パッケージで伝えて、
『買う理由』を売り場で示している好事例だと思いながら、美味しくいただきました。

ちゃんとこのネコには、「シロ」という名前があります。
こういうところもいいですね。
誕生日や妹の存在に余韻を残している点もさすがです。

*テロワール:フランス語で地球、土地を示す”terre”が語源の、その土地や風土、環境を意味する言葉でワインの評価によく使われます。


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