春のパンまつりと国際情勢
お皿が来ない理由
いつもパンを買いにゆくスーパーの売場にこんな張り紙がありました。
どうも他のお店では、情勢悪化の理由を具体的に、イエメン武装組織フーシ派による貨物船への攻撃と書いている張り紙もあるようです。
白いスマートボールは、あまり知られていませんがフランスで作られてます。
陶磁器ではなく、強化ガラス製です。(だから丈夫)
毎年、フランスから船便で日本に運ばれていたのですが、今年は、今までと違う状況になっています。フーシ派も春のパンまつりを狙ったわけではなく、国際情勢が変化する中で、選択した行動が、結果的に春のパンまつりの白いお皿の輸送を妨げる結果になっています。
こんな因果関係があります
イエメン武装組織フーシ派(シーア派の中のザイド派の武装組織)が、紅海を往来する貨物船を襲うようになったのは、昨年2023年10月のイスラエルによるガザ侵攻からです。
短期的に見ると、
1.ハマスがイスラエルを大規模攻撃
↓
2.イスラエルが報復攻撃を開始
↓
3.中東のパワーバランスを変えるチャンスと考えた各国が反応。そのひとつがイラン。イランはアメリカの存在感の低下を狙い、紅海に面するイエメン国内のフーシ派を支援。
↓
4.フーシ派は、「ガザ地区でのジェノサイドをイスラエルにやめさせることが目的」として、スエズ運河を利用する貨物船を攻撃(海賊行為)
↓
5.白いお皿を運ぶ船が止められる
という事態になっています。
スエズ運河が使いにくい状態になることで、多くの船がアフリカの喜望峰廻りでの輸送を強いられ、時間だけでなく、燃料も無駄に使わなければならない状況です。
SDGsの観点からも困った事態です。
これからの予想と、どうすればいいか?
輸送にかかるコスト(時間、燃料、攻撃されるリスク)が上がることで、いままで安く手に入っていた小麦粉などの値上がりが予想されています。
相対的に円の価値が低下しているなかで、海外の産品を購入する金額が上昇すると、パンやパスタ、惣菜やお菓子の値段も上昇圧力にさらされます。
この状況は、おそらくイスラエルによるガザ侵攻が何らかの形で止まるまで続きます。
アメリカの大統領選挙は11月に予定されており、この結果も大きく影響しますが、大きな流れとして、アメリカ国内は格差が拡大し国内に向けた施策が求められる中、国際情勢への影響力を今後下げてゆくと見られています。
世界規模の大きな流れに対して、生活者、消費者が直接できることはあまりありません。しかし、もっとこういう世の中になったらいい、どこかで困っている人がいたら助けたいといった声をあげることができれば、間接的にですが変化は起きます。
買うことと社会を良くすることがもっと繋がると良いですよね。