第171回芥川龍之介賞と直木三十五賞のノミネート作品をご紹介
2024年7月17日に迫る第171回の芥川龍之介賞と直木三十五賞の受賞作品発表が待ち遠しい。今回はどちらの賞にも興味深い作品が名を連ねており、文学界全体がその結果を心待ちにしていることだろう。ここでは、それぞれの賞にノミネートされた作品をそれぞれ観ていきたい。
芥川龍之介賞候補作品
芥川賞は、純文学の新人または未だ大きな賞を受賞していない作家に贈られる賞で、以下の作品がノミネートされている。
朝比奈秋「サンショウウオの四十九日」(新潮5月号)
この作品は、死と向き合う個人の内省を深く掘り下げた物語である。サンショウウオの生態と人間の生死が織り交ぜられ、読者に深い感銘を与えてくれるはずだ。
尾崎世界観「転の声」(文學界6月号)
日常の中に潜む非日常を浮かび上がらせる独特の視点を持つ作品で、尾崎世界観の繊細な筆致が光っている。
坂崎かおる「海岸通り」(文學界2月号)
地方都市の風景とそこで生きる人々の営みを描き出し、淡々としながらも心に残る印象を与える作品である。
向坂くじら「いなくなくならなくならないで」(文藝夏季号)
失われつつあるものへの執着と解放の間で揺れ動く心情を鮮やかに描いた作品である。
松永K三蔵「バリ山行」(群像3月号)
自己発見と再生の旅を描いた、冒険と自己啓発をテーマにした斬新な作品である。
直木三十五賞候補作品
直木賞は、エンターテインメント性の高い小説に贈られることが多いが、この回の候補作も多岐にわたっている。
青崎有吾『地雷グリコ』(KADOKAWA)
現代社会の病理を暴くような衝撃的な内容で、読後の印象が強い一作である。
麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』(文藝春秋)
令和という新時代の幕開けとともに繰り広げられる、人生の転換点を描いた物語になっている。
一穂ミチ『ツミデミック』(光文社)
独特の世界観と深い人間洞察で、現代社会の罪と罰を問う作品である。
岩井圭也『われは熊楠』(文藝春秋)
歴史的な人物を描きながらも、現代に通じる普遍的なテーマを探求している。
柚木麻子 『あいにくあんたのためじゃない』(新潮社)
個々の自立と依存を鋭く描き出し、人間関係の微妙なバランスを探る作品である。
これらの作品は、どれもがそのジャンルの枠を超えて多くの読者に影響を与える可能性を秘めている。どの作品が受賞するのか、その発表を楽しみに待ちたい。