見応えあるパニック作品映画「非情宣言」
Ⅰ月22日にTジョイ東広島で映画「非常宣言」を見てきました。
航空パニック作品で気になっていた作品でした。
良い作品でした。見ていて緊張の連続でヒリヒリする作品、パニック作品の傑作でした。
ストーリー
イム・シワン演じるリュが旅客機のKI501便に乗り、ウィルスを撒いて乗客と乗員に感染させます。
このウィルスはリュが培養した感染から発症まで短い殺人ウィルスだった。そんなウィルスが機内にあるKI501便は当初の目的地であるハワイへ向かうものの、アメリカ政府は着陸を許可しない。
仕方なくKI501便は韓国へ引き返す。
韓国へ戻る途上で乗客と乗員の感染者は増え続け死亡者も増える。
機長も感染して亡くなり、かつて旅客機の機長だったイ・ビョンホン演じるパクが操縦桿を握る。
韓国ではソン・ガンホ演じるク刑事がウィルスの正体を知る者を探していた。捜査でリュが製薬会社で研究員として働いていたと分かる。
感染と墜落による命の危険で苦しむ空中のKI501便、ウィルスの真相を探り、KI501便をどうするか対策する地上の刑事たちと韓国政府
この空と陸の攻防でKI501便が何処へ行き着くのか。と言うストーリーです。
見所
映画「非常宣言」は旅客機の密室で広がる感染の恐怖
着陸できるかどうかの不安
この2つの恐れがKI501便で続き、見ている側をヒリヒリとした気分にさせます。
途中からKI501便の操縦をするイ・ビョンホ演じるパクから見る機内の様子がカメラの役目と、KI501便の命運を担う主役として存在感を増すところも見所ですね。
そんな中で韓国で捜査をするク刑事の動きは希望を感じさせます。
おじさん刑事であるク刑事(刑事のチーム長と言う責任者でもある)が走り回り、身体を張り頑張る様子は癒しすら感じます。
ソン・ガンホの普通のおじさんが頑張ると言う演技が、見ている側に一時的に肩から力を少し抜く要素になっているのかもしれない。
絶望的な状況で続く恐怖と不安の連続を感じる作品、そんな緊張感を味わえる作品です。
コロナ禍を反映した作品
ウィルスが旅客機と言う閉鎖された空間で感染する。
逃げ場なしの旅客機での感染、乗客の求めで感染者と非感染者が機内で分けられる。
その席を分ける前後で乗客の1人が感染の疑いがある乗客を感染しているのではないかと問い詰める。
乗務員から頼まれた訳でもなく自ら進んで強権を振るおうとする。
また他の非感染者も感染者らしき人へ厳しい目を向けて同調する。
まさにコロナ禍における自粛警察と呼ばれた人を思い出す。
(そんな中で声を上げた場面はスカっとします)
この作品も現代の作品としてSNSの描写が生かされます
。 KI501便の乗員が知る前や伝える前に、乗客達が自分達が恐ろしいウィルスの危険に晒されている事や着陸を拒否された事をSNSで知ります。 またKI501便で起きた騒ぎを写した映像もSNSで広がり、政府発表の前にマスコミがKI501便の異変を報じてしまいます。
制限なき情報の広がりと受け取りが事件を大きくし、混乱を招くと言う描写がなされている。まさに今の時代における情報の流れもしっかり描かれている。
かつて「シン・ゴジラ」が東日本震災後の日本を描いた災害作品としての面もあるとされた。
「非常宣言」はまさにコロナ禍を経験した後の世界を描いた作品とも言えるのです。
日本に関しての描写
映画「非常宣言」では日本が登場する。
KI501便の成田空港への着陸を拒否し、KI501便を阻止しようと航空自衛隊のF-2戦闘機が出撃します。
この場面で反日だ!と騒ぐようなものでは無いでしょう。
自衛隊機が民間機へ威嚇射撃をしたりするのは現実離れした描写だし、日本政府のコメントも変な所で「遺憾の意」が出てきたり。笑って見過ごせる場面でしょう。
むしろ、ミリオタとしてはヒールな役であってっも、あんなに飛び回るF-2を描いてくれたのが嬉しいものです。