オンラインの可能性とコミュニティ維持の難しさ
2013年9月に開校したソーシャル系大学「こすぎの大学」。毎月1回授業を開催しながら武蔵小杉に関わる方々との繋がりを育み、そして、武蔵小杉という街の魅力を再発見しながら価値創出に取り組んでいます。関係資本(ソーシャルキャピタル)が増加できていること何よりもうれしかったのですが、昨年、COVID-19に向き合いながらこすぎの大学を運営することで実感したのは「オンラインの可能性とコミュニティ維持の難しさ」でした。
COVID-19以前のこすぎの大学
2013年9月に開校した「こすぎの大学」。毎月第二金曜日の夜に大人たちが南武線高架下の町内会館や中原区役所に集って、武蔵小杉で活動する「先生役」の話を聞いた後にはワークショップスタイルで気づきを共有すると共に街づくりのアイデアを共創してきました。そして、授業の後は昔ながらの居酒屋で懇親会。
武蔵小杉に住む・勤める・興味関心ある大人たちが楽しく真剣に武蔵小杉の未来に向けてアイデア創出しながらアクションして武蔵小杉の価値を向上させると共に、関係資本(ソーシャルキャピタル)を育んでいました。
参加者の楽しみ方も十人十色。そんな様子をCRファクトリーさん主催「コミュニティフォーラム2017」で「自分が住まう街でオトナが十人十色の思い出を作るきっかけ」と表現しました。
学校の思い出は?と聞くと、授業だけでなく、部活や恩師、恋愛、休み時間、修学旅行、帰り道など、それぞれが違う思い出を語るように、こすぎの大学も同様の場になっているし、そんな場であり続けたいと考えていました。
COVID-19以後のこすぎの大学
COVID-19に向き合った2020年。こすぎの大学も4月以降、オンライン開催になりましたが、工夫を凝らすことでオンラインならではの授業を続けてっきました。
小学校の家庭科教室でおにぎりをむすぶワークショップができなくなったものの、各自が自宅で炊きたてのごはんを準備して画面越しに一緒にむすんだり。場所の制約がない利点を生かして大阪や高知のソーシャル系大学の体験授業を開催したり。
オンラインによる色々な制約はあるものの、オンラインの利点である場所の制約からの開放や、画面越しでの共体験を通じて「オンラインの可能性」を実感したものの、何か満たされない気持ちがありました...。
緩やかに消費し続ける関係資本
こすぎの大学がオンラインになってから感じたのは片方向(一方通行)によるコミュニケーションでした。ブレイクアウトセッションや授業後のオンライン飲み会を通じて双方向のコミュニケーションをしていたものの、片方向感が否めませんでした...。
リアル開催の時は先生役の話を聞きながら横に座っている仲間と雑談しながら理解を深めたり、息抜きをできたのですが、オンラインだと先生役の話をずっと聞いていることになる。zoomの画面で隣に仲間が映っていても画面の枠を超えて気軽に話しかけることはできないし、仲間の様子や雰囲気を五感で感じることができない。先生役と生徒役で「1対n」の状態が続いてしまう。
以前のこすぎの大学は先生役と生徒役の関係に加えて生徒役同士の「n対n」のコミュニケーションを通じて「十人十色の思い出づくり」ができていたのに、COVID-19後は授業という「一つの共通の思い出づくり」しかできず、これまで育んできた関係資本を緩やかに消費しているように感じるようになりました。
関係資本を育み続けるために
COVID-19後の新しい生活様式(New Normal)で、コミュニティ活動もリアルとオンラインのハイブリッドが主流になってきています。オンラインだから関係資本が消費してしまうというのは過渡期における一過性の状態として受け止めつつ、オンラインでも関係資本を育み続けられるような仕組みと仕掛けを考えていこうと思います。それが2021年のこすぎの大学のチャレンジとなります。
僕ら同様に悩んでいる方も多いと思いますし、その悩みを解決された方もいらっしゃると思います。それぞれの悩みや解決策を共有したいですね。僕らも共有し続けます。
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