小学校理科を指導要領から考える【毎週水曜日更新】
はじめに
東京都葛飾区を中心に理科教育イベントを行っている筆者が小学校での
理科教育法や楽しく学ぶ方法を考え、とりあえず文章に起こしている記事です。読みづらい部分ばかりとは思いますが、発想の一つとしてお読みいただければ幸いです。
当記事は基本的に「小学校学習指導要領」のみを取り扱っています。
教科書等の実験内容には直接触れることはありません。
当記事、当シリーズは全文無料でお読みいただけます。
前回→「月と星」https://note.com/katsushikakap/n/nc656968545d9
1.「物の溶け方」の概要
小学校理科における「粒子」の学習の学習における重要な単元です。
科学知識においても、大人も勘違いしやすい部分もある内容です。
今回はそういった内容と実験手順、教材研究をしていきましょう。
2.「溶ける」とは
基礎知識として「溶ける」という現象について理解をしましょう。
物が水に溶けたものは「水溶液」になります。
指導要領にもありますが、「水溶液の中では、溶けている物が均一に広がる」は指標の一つです。
「透明」であることも重要です。勘違いしやすいのは、色が付いていても透明は透明であることです。黒かと思います。逆に、お茶やお味噌汁、絵の具は液中の粒が見えることや時間経過によって沈殿が見られることから溶けていないことが分かります。
3.食塩水<食塩+水
これは、体積の話です。指導要領では「水と物とを合わせた重さは変わらない」とあります。が、表面上の面積である体積は変化する場合があることは知っておくと良いでしょう。調べると映像教材いっぱいあります。
扱いやすい食塩水で上記の原因について簡単に説明を行うと
水分子は子ども二人が両手を繋いで輪っかを作っている様なもので、
食塩(主にナトリウムイオン)は溶けることで外から水分子の輪っかの中に入り込むイメージです。
4.基礎実験は食塩水で
これまで触れてきた内容すべてを一気に観察させてくれる優良教材です。
基礎的な実験器具の使い方の学習にもなり、参考になる教材研究も多いので下手に別の内容を導入にするよりスムーズに行えると考えます。
5.温度による溶ける量の変化
温度によって物が溶ける量=「溶解度」ですが、塩は変化が小さい物質です。なので、この実験観察の際に黒糖の様な色のついた砂糖をつかうと色が付いていても透明であることが同時に観察出来てよいかと思います。
ホウ酸や酢酸ナトリウム、ミョウバン等を使った実験も多くありますが、
1時間の授業でやるには負担が大きいような気もします。
また、砂糖が溶ける際に「シュリーレン現象」も見やすいので、
雑談にもぴったりです。
6.「物の溶け方」のまとめ
「食塩水」と「砂糖水」が扱いやすく便利というまとめになるかと思います。
「溶けるとはなにか」→「水溶液の条件」→「水溶液の重さ」→「溶解度」
の順番で行うのが理解においては間違いないでしょう。
ここで水に溶けることを理解することで、後の油や有機溶剤等々の幅広い「溶ける」世界へのとっかかりになると私は思うので、
実験はきちんとデータを取れればよいなと思います。
7.おわりに
変に熱くなってしまった回でした。
科学で遊んでいる身として「溶ける」は面白いことがたくさんできる知識なのでこの単元で理科嫌いにならないでと思うばかりです。
また、先日より小学校の授業、教材研究をさせて頂く機会を頂き、
実際の小学校の現実と私が追い求める理想の部分を上手に繋げることができればなと思って日々過ごしています。そもそも、教員の負担を減らす理科実験を目指している活動としてはこれほど幸運な機会もないと感謝ばかりです。
毎週水曜日更新予定、次回は6月5日更新!「指導要領第5学年
振り子の運動」を考えていきたいと思います。
6月突入です。イベント等々毎週の様に行っていますのでご興味あればHPやXをご覧ください。
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