小学校理科を指導要領から考える【毎週水曜日更新】
はじめに
葛飾区を中心に理科教育イベントを行っている筆者が小学校での理科教育法や楽しく学ぶ方法を考えてとりあえず文章に起こしている記事です。読みづらい部分ばかりとは思いますが、シリーズとしての量にもなってきたので発想の一つとしてお読みいただければ幸いです。
前回→「身の回りの生物」https://note.com/katsushikakap/n/nd089094588da
1.「太陽と地面の様子」の概要
太陽を扱う単元なので安全対策や学習的なつながりに関する記載が多いのでもう少し引用が続きます。
これまでで最も多くの文章を引用しましたが、太陽光を扱う為に安全管理的に必要なことがきちんと記されている事を最初に明らかにしておこうと思っての事でした。どれだけの人が安全に配慮したJIS規格の値を知っているかは今はおいておきます。
2.「太陽と地面の様子」を考える
概要を理解した上で、結局この単元では何を学習するのかというのを確かめましょう。
1.太陽の光は時間によって移動していく。太陽光を遮ると陰ができ、その陰の動きによって太陽の光の移動を観察できる。
2.太陽光は物を温めたり、乾かしたりすることができる。日なたと日陰では温度に差があることを発見する。
上記の2点が大きく理解するべき内容だと考えます。
太陽の光の動きと言える上記1について触れていきましょう。太陽が東から西に沈むように見えるという常識を知るのがメインといって良いでしょう。授業や学習法には関係ありませんが、指導要領における表現が「太陽の位置」になっているのは面白いところです。
新しい観察方法みたいなものも特になく、今まで通りの観察を行うのが最も良いと考えます。ただ、陰の移動の観察方法ですがそれこそ今風に「特定の位置から同じものを写真に撮り記録する」というのが良いのではないでしょうか。また、例えば校庭の鉄棒をグループ4人で囲って記録を取る様にしてみると、より多角的に動きの観察が出来ることでしょう。
便利な物を便利に使って分かりやすく深い学びに繋がるよい学習かと思います。
次は太陽光の熱の学習です。実際に触ることができる学習なのでこれも新しい方法等はありません。非接触温度計が普及した事もあるので、それらを使って日なたと日陰の温度を観察してみるのも良いでしょう。
観察において単元的に重要な点は、地面の温度を見る事だと思います。他の材質も調べたい子がいれば「地面」と「水」の温まりやすさにくさをちょこっと話してあげると良いかもです。
3.太陽を観察する
まずは、JIS規格の話が指導要領にあったので記しておきます。
結局、何番のJIS規格の遮光板、遮光メガネを使えば良いのかが明記されていないのですが、一般的に12以上を使用する事で太陽を直視した際の安全がある程度は確保されるとされています。なので、学校で使うなら13、14番位が良いでしょう。ホームセンター等にある場合もありますが、ネット通販が購入に向いていると思います。それと、日食時に良く売られる穴あきサングラスみたいなのは当然のように使用しないほうがよいです。
まあ、それでも心配な場合は地面に白い紙を置いて陰で観察するのも良いかもしれません。おかれた状況にあった方法で進めましょう。
4.「太陽と地面の様子」のまとめ
観察する時はあらゆる便利な物を使おう!っていうのがまとめになります。ただ、それは調べ学習ではなく、記録するためだという事は留意しましょう。経験する機会は減らさず、正しい現象を記録し学習する。というのを大切にしていきたいものです。
5.おわりに
今回は本当に書きたいことを書いただけでした。
太陽の学習はすごく分散されているので教える大人よりも、教わる子ども達のほうが中途半端な学習内容にもやもやするようにも思えます。
とはいえ、教えるのも難しいですし時間も足りないので上手いところで子ども達が気になることは自ら調べるムーブメントをつくるのが大人に求められているのかもしれません。ってか、理科という教科全体がそんな感じですよね。
私も理科得意だったことはありませんが、大学で初めて理科(物理と化学)が分かったといっちょ前に思えたことがありました。
「最低限必要な知識」を教えるから広く浅く教えるしか無いという小学校教育と理科教育のジレンマのようなものがありますね。
毎週水曜日更新予定、次回は4月2日更新!「指導要領第4学年 空気と水の性質」を考えていきたいと思います。
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