小学校理科を指導要領から考える【毎週水曜日更新】
はじめに
東京都葛飾区を中心に理科教育イベントを行っている筆者が小学校での
理科教育法や楽しく学ぶ方法を考え、とりあえず文章に起こしている記事です。読みづらい部分ばかりとは思いますが、発想の一つとしてお読みいただければ幸いです。
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前回→「電流の働き」https://note.com/katsushikakap/n/n7d00811fc6f3
1.「人の体のつくりと運動」の概要
この単元は3年生で行った「身の回りの生物」の続きであり、
6年生「人の体のつくりと働き」、中学生「動物の体のつくりと働き」の
学習につなぐものになります。
2.「見えないモノを見る」ための仮説をたてる
学習の中心は「筋肉、骨、関節」です。
用語やそれぞれが担う働きについては初めに触れるだけで十分だと思います。重要な事はそれらがどのような関係性を持って動きができるかです。
自分の手をグー、パーした時に筋肉、骨、関節がそれぞれどこにあり、
手の形によって伸びたり縮んだり変化する部分と変化しない部分を考え、
仮説をたてることで動物の体のつくりの理解につながると考えます。
見えない部分を考えることは人間社会においても有用な技能だと考えています。ただし、これには経験や何度も試せる、何度でも許して貰える環境などが必要です。たかが、筋肉や骨を学習するだけのものですが経験の積み重ねという事でそういった環境を用意したいものです。
3.「人の体のつくりと運動」を考える
この単元の学びは動画とスケッチでも十分に深い学習ができると考えます。
仮説をたてる方法として手の骨や筋肉をスケッチしてみることが挙げられます。また、体の大きな動きや他の動物の姿は動画教材だと十分な情報を得ることができると思います。ただし、動画教材は答え合わせになるので最初から利用するのは違うと思います。
人体模型を使うほど頑張る必要は無いと思います。
子ども達の経験や視点を自分の体に合わせて考える方向に誘導できれば
十二分の学習活動になると思います。
余裕があれば、手のスケッチより割りばしと粘土、針金で手の模型を作ってみると良いと思います。理由としては筋肉の動きがより分かりやすいからです。準備や片づけ、作業時等で見なければいけない事も増えるので場合によりけりだと思います。
また、この単元は体育との連携も考えることができます。
鉄棒や跳び箱、徒競走などを題材にしながら、体のどこに力が入っているのかを観察する活動も楽しいと思います。
観察できる機会が多い分、学習方法もいくつもある単元だと思います。
単元の目標から逸れなければ問題ないので、子ども達の特性等を見ながら
楽しく学べる方に持って行ってあげればよいと思います。
4.「人の体のつくりと運動」のまとめ
・手の筋肉、骨、関節の付き方を予想する。
・動画教材で大きな体の動きや他の動物の動きの観察を行う。
学習のポイントは上記の2つです。
予想する方法はスケッチでも模型でも方法はいくつもあります。
可能な範囲で「仮説をたてる素材」を用意できればと思います。
5.おわりに
文章にすると非常にあっさりとした感じになりました。
学習と学習を繋げる単元であり、学習内容も濃いものではありません。
なので、「仮説をたてる」が裏テーマとして大きなものであっても良いと思います。
子ども達にとっても何十年と付き合っていく自分の体のこと、
「当たり前に知っている」と思い込んでいるからこそ、見つめなおす機会、
視点をいつもと変えてみる考え方の練習となればよいなと思います。
毎週水曜日更新予定、次回は5月1日更新!「指導要領第4学年
季節と生物」を考えていきたいと思います。
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