小学校理科を指導要領から考える【毎週水曜日更新】
はじめに
親子向けの理科実験教室を行っている著者が学校で習う理科教育について考えていく記事です。なんとか5回目まで更新期日を守ってこれました。毎度思考が纏まっているとは言えないですが全ての人が楽しく理科に触れる方法の一端を探しています。
前回「光と音の性質」→https://note.com/katsushikakap/n/ncd1f855196dd
1.「磁石の性質」概要
前回もだいぶシンプルでしたが、今回もシンプルに余分な知識は排除して磁石の基本的な性質を簡潔にまとめる事が目標です。
私はずいぶん長い間「反発力」という言葉を使って、先生に「斥力だな」と注意された物です。そんな経験もあるので、やはり体験として現象を理解できるような方法を考えてみます。
2.「磁石の性質」について考える
磁石を使った実験で楽しい物だとキュリーエンジン等がありますが、余りにも単元の内容と乖離してしまっているのでダメですね。
・磁石にくっつく物、くっつかない物。の理解。
・磁石の極性による違い。の理解。
・磁石になる物がある。の理解。
の3点を学ぶことを念頭におき、他の情報はなるべく排除した実験が良さそうです。
結局は、既存の方法をどう改良、どう使うかになるのですが
「クリップ」を使った磁性実験と「方位磁針」、「磁石遊び」で学習していくのが良さそうです。
3.クリップで磁石の性質を学ぶ
クリップと磁石の実験における相性の良さは言わずもがなです。釣りセットのような手作りおもちゃにも多様されています。
そんなわけで、シンプルにクリップと磁石が引き合う様子を観察することも良いのですが、ここで付け加えるべき学習は「磁石に近付けると磁石になる物がある」の部分です。クリップ同士がくっついていく事をきちんと確認する事が学習に繋がります。
4.方位磁針の学習が必要な理由
方位磁針なんて昨今使わないから知識学習だけで良いかな。と思っていたのですが、これは子ども達がそれぞれ観察、体験する必要があります!
大人にとっての当然の常識を身に付けるために、経験による知識の定着、自身の発見による物理法則の気づきは子どもの時に得る事ができる知の宝です。
山で遭難してスマホの電源もない状況で東西南北を把握したい。というシチュエーションはそうそう起こらないとは思いますが、これからの未来でなにがどうなるかわからないからこそ理科の学習に捉われない知識は積極的に取り入れていきたいです。
なんか本筋から離れてしまった気がしますが、方位磁針をつかった磁石の学習は必須です。それだけのことです。
5.磁石遊びという学習
遊びですが、発見学習の一環です。
教室や廊下、学校のいたるところで磁石を近づけてみると新しい発見があるはずです。校庭では磁石に付く砂と付かない砂があったり、蛇口から出る水に磁石を近づけると水が曲がったりなんてそんな不思議に出会えるでしょう。
学習のメインは、クリップや方位磁針で基礎をつくり、追加学習的に磁石遊びを用いるのが良いでしょう。
6.「磁石の性質」のまとめ
既存の学習方法から大きく変わることもなく、活動の中で何を学習目的に置いて説明、授業を進めていくかを考える機会になりました。
また、方位磁針を用いた経験によって教科を跨いだ学習を行い、理科の知識が他の分野でも使えるということに気づくことのできる単元になったと思います。
7.おわりに
今回は、途中で大きく道を逸れてしまいいつにも増して散文でしたが、書きたい事は一通り書けました。新しい実験方法等もなく面白みがないかも知れませんが、当シリーズとしての目標は「よりよい学習」なので良いものは残し、実験の為の準備や片付け等がより簡易にできる方法を模索していきたいと思っています。
毎週水曜日更新予定、次回は3月13日更新!「指導要領第3学年 電気の通り道」を考えていきたいと思います。
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