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カメラに学ぶ真似ることの難しさ
新しいカメラを買ってから、初めてカメラ友達と撮影に出かけた。
↓カメラ選びについて書いた記事
↓一人で試し撮りした写真集
ネットで知り合った彼とは知り合ってまだ間もない。彼がツイッターに載せている『切り取った世界』が素敵で、いつか一緒に撮影出来たらカメラを教えてもらおうと考えていた。
けれど、彼もあまりカメラには詳しいわけではないらしく、ただ好きで写真をたくさん撮っているのだと言う。
やっぱり、誰かに聞いてうまくなろうなんて、甘いのかなぁと思いつつ、でも、一緒に撮影することには快く受け入れてくれて、今日一緒に出掛けた。
撮影場所は京都にある『新風館』と『京都芸術センター(旧明倫小学校)』の2か所。
新風館は以前からある商業施設なのだけれど、最近改装されてきれいになった。カフェに服屋、飲食店、香水に映画館と、あまり出店数は多くないけれど、厳選されたお店が中庭を囲って立ち並んでいる。
中庭には夏らしい提灯
珈琲の美味しいカフェ
実は私、彼の画を盗もうとしていた。
と言うのも、彼が撮ろうとしている角度、構図をまねして、設定も教えてもらって似たように撮れば、上達の近道になるのでは? と、考えたのだ。
地下の映画館へ続く階段(彼が撮っていたから、真似しようとした作品)
けど、マネなんて全然できなくて、早々に諦めた。笑
何故マネが出来ないのか? 盲点がたくさんあった。
●彼がそもそも何を撮ろうとしているのか分からない。
移動中に突然「ちょっと待って」という彼の声。私がスルーした工事現場やなんてことない駐車場が彼の目には撮影スポットになるらしく、カメラを向けて一生懸命撮影していた。
この時点で既に真似るのは無理な気がし始めた。
私は駐車場に工事現場にもあまり興味がないから、彼が何を撮ろうと、どんな角度でどこをどう切り取ろうとしているのか、想像もつかないのだ。つまり、マネようとするといちいち撮影を中断してもらって説明をしてもらわなければならない。非現実的だった。
●動くものを撮ろうとしているから、マネできない。
撮影した写真を見返し、「思っていたのと違う」と独り言を話す彼に、理由を聞いてみると、駐車場に引かれたラインと『駐車』の文字が可愛かったそうだが、そこにさらに目の前を通り過ぎる自転車をプラスしたかったらしい。けれど、うまく自転車が収まり切らなかったそうだ。
私がカメラを構える頃にはとっくに自転車は通り過ぎているし、同じ角度で真似しようとすると彼の邪魔になってしまう。
●設定方法を全部聞き出すのは無理
私もそうなのだけれど、その都度設定を変えながら撮影を行う。プロなら設定の値が頭に浮かんで撮影するのかもしれないけれどお互い素人ではそれは難しい。くるくるダイヤルを回しながら気に入った色やボケ感を探しながら撮影するから、その都度「今どの値で撮ったの??」なんて聞いてる暇はない。
と、素人同士で真似っこなんて到底できないことに気が付いてしまったのだ。
それに気づいてからは私も開き直ってしまった。それぞれ黙々とお互いの気になる画をどんどん切り取っていった。
『京都芸術センター』へ移動後も、私が古い校舎の階段を撮影していると、彼はその横に立てかけられた荷物を運ぶ台車を撮影しているし、私が窓の外を撮影していると、彼は私の撮影姿を撮ろうとしていたりする。
古い階段
彼の撮影中の後ろ姿
全く同じ空間を共有しているはずなのに、彼と私でそれぞれ目線が全く違うのだ。恐らく1枚として同じ写真はないだろう。
撮りあいっこも楽しい
撮り終えた写真を共有したり、好きな写真家の写真集を買って、どんな写真が撮りたいのか、感覚の精度を上げることは可能だろう。
今回の撮影会では、技術に直結はしなかったけれど、まず写真が楽しいと改めて感じることは出来た。それに、自分なりの切り取りたい画があることが嬉しくて、それぞれでいいんだと感じることが出来た。
でもよく考えればそりゃそうだよな。
だって、真似でスグに上達できるなら、プロのカメラマンなんていらない訳だから。
多少好きな写真を意識して、似た写真をっとってみるのもいいだろう。けれど、人は目線の高さも、目に入る光の加減も、視力も、それぞれ違っている。何より、自分の見えている世界を切り取ればよいし、自分が美しいと思うものを最大限切り取る努力をするしか、方法はないのかもしれない。
文章で表現するのと同じぐらいにはカメラでも個性を発揮したいと思う。
光と影が織りなす写真の世界で、自分はどんな表現が出来るだろう?
※写真は全てSIGMA社の『fp』で撮影しました。