私たちは、”早送り” で生きている。
なんだか疲れちゃったな
そわそわしてよく眠むれないな
イライラが止まらないな
そんなときに思うのが、
私、ずっと早送り再生で生活している
と思うんですよね。
でも厄介なことに、
自分が早送り再生だってことに気づきにくいのです。
なぜなら、周囲も早送り再生で生きているから。
周囲(世間、社会、会社)が再生速度1.5倍速だと、自分も1.5倍速を求められる。そしてそれに自分を合わせていく。
もともと、周囲と自分の生き方の再生速度が同じだったら全く問題はない。なぜなら、それが自分にとって再生速度が1.0倍速(標準)となるから。
これがもし、どんどんエスカレートして、周囲(世間、社会、会社)の再生速度が2.0倍速となったら?
多くの人が、それに合わせるのは至難な業でしょう。
でもそれが、現実に起きている気がするんです。
◇ ◇ ◇
昨今、ニュース、映画やドラマなどを早送りしながら見る「倍速視聴」広がっています。
忙しい現代人にとって、たくさんあるコンテンツを短時間で見るには効率がよいと思います。
自分は普段どのくらい倍速視聴ってしているかな?
と振り返ってみました。
Voicy、YouTube、Audible
最近は1.0倍速(標準)だと気づきました。
でも、忙しくて心に余裕がないときの自分は、高倍速で生活をしているときなので、視聴速度は1.25倍速~1.5倍速でした。
高倍速で視聴していたときは、キーワードだけさらっと追っていて、深く内容を理解したり行間を感じたりできなかったので、後から振り返ると何も覚えていない(笑)。
結果、高倍速視聴は自分にとって疲れるし、ソワソワしちゃうので標準(1.0倍速)に戻りました。
また、自分が余裕がないときって高倍速(1.5倍速)で生きているので、他人の低倍速(0.5~0.75倍速)が許せなくなるんです。でもその人にとってはそれは標準(1.0倍速)なのに、私は勝手にイライラしてしまう。
スーパーのレジで、ゆっくり小銭を数えてお会計している人とか(田舎は現金払いが多いです)、私の前をゆっくり歩いている人がいて、なかなか抜かせないときとか。
前職の会社でもずっと上から急かされていたし、自分も下を急かしている立場でもありました。社会の再生速度に全社員が合わせていく、そんな生活が長くなると、自分のナチュラルな生き方(標準速度)がわからなくなっていました。
その名残で、ムリして自分の再生速度を上げたまま生活をすると、疲れたり、そわそわしたり、イライラしたりと落ち着きませんね。
◇ ◇ ◇
でも、速いことはありがたいことでもあります。
速いことは否定しません。
Amazonではお急ぎ便だと、急に必要になったものを夜に注文して翌日午前中に到着する商品もあります。また、救急医療では生死をさまよう状態では一刻を争います。
速いことって、必要な人にとってはとても価値があることです。
私たちだって、緊急事態やイザというときは、
高倍速(1.5~2.0倍速)で動かなきゃいけないこともあると思うのです。
でも、それは24時間365日じゃなくてもいい。
周りに合わせて常に高倍速で生きていたら、自分の幸せを感じたり、
大切な人に優しくする余裕すらない。
だから1日どこかのタイミングで、
自分の再生速度を自分のペース(標準速度)に戻してあげるのって大事かなと感じています。
ゆっくりお茶を飲みながら、少しずつ自分のペースを取り戻していく。
自分の標準速度で、今夜は好きな音楽をゆったり聴いて眠りにつきたいと思います。