ここが面白い!SaaSマーケティングのあれこれ
1. はじめに
はじめまして、SmartHRのオンラインマーケティングユニットでリードジェネレージョンを担当している清水 勝也 ( @katz )です。
リードジェネレーションとは、見込み顧客を獲得するマーケティング活動のことで、オンライン施策である、WEB広告(広告運用・バナー/LP作成)、サイトのグロースハック、メディアを活用したアフィリエイト、事業会社との相互送客の仕組みなどオンラインで見込み顧客(リード)を獲得する施策すべてを担当しています。
2. 今回のおはなし
SmartHRに入社して半年経過したので、改めてBtoB SaaS マーケティングの面白さと、今のフェーズにおいてSmartHRでマーケティングを行う楽しさ、やりがいを自分なりに振り返りも兼ねて整理してみました。
※以下、あくまで個人の意見です※
3. BtoB SaaS マーケティングの面白いところ3選
個人的に面白いと思うのは以下の3つです。
① 目的は売り上げの達成!ビジネスサイド全体を俯瞰する力が鍛えられる
② 多職種と連携したマーケティング施策の実行できる
③ マーケティング施策の再現性を高められる
① 目的は売り上げの達成!ビジネスサイド全体を俯瞰する力が鍛えられる
BtoCとBtoBとの違いは、以下の通りとなっています。
A : 購買関与者が複数かつ多層
B : 購買目的が課題解決
C : 検討期間が長期間
D : 購入チャネルは営業パーソン
[出典 : 1011 BtoBの購買体験振り返り|栗原康太]
上記からわかる通り、マーケティング施策でコンバージョンを獲得できたからと言って、すぐに会社の売り上げにつながるわけではありません。
そのため、マーケティングチームはリードを獲得したからOK、というわけでなく、常に会社の売り上げを達成するために各チームのKPIの状況把握、そして、他チームのKPIを改善するために協力できることはないか常に視野を広くしておく必要があるため、会社全体のビジネスを俯瞰する力が鍛えられます。
② 多職種と連携したマーケティング施策の実行できる
[出典 : なぜセールスフォース・ドットコムは成長を続けられるのか|MarkeZine]
そして、SaaSには、Salesforceが提唱してるThe Modelと呼ばれるモデルがあり、潜在顧客の獲得から見込み顧客の育成、案件管理、契約継続/追加において、各組織のミッションとKPIが管理されています。
これからわかるように、SaaSビジネスはそれぞれの組織のKPIがキレイに連動していることがわかります。
そのため、マーケティングチームは、ただ単に、見込み顧客を獲得すればよいのではなく、インサイドセールスチームとどうすれば商談に繋がりやすいリードを提供できるか、クロージングセールスチームとどのようなコンテンツやメッセージをマーケティングチームとして情報を発信できていると受注に繋がりやすいか、など各チームと連携してマーケティング施策を企画・実行できるところが面白いです。
③ マーケティング施策の再現性を高められる
そして、個人的に一番おもしろいと思うことが、各チームのKPIと連動しているため、施策を組織観点で振り返ったときの再現性が高められることです。
マーケターにとって施策を実施したら終わりではなく、その施策を組織観点で再現性あるレベルまで昇華できないと意味ありません。KPIが連動しているため、プロセスのブラックボックス化を防ぎ、情報もスキルも属人化しないようになっています。この再現性を高められる環境もBtoB SaaSならではの魅力だと思っています。
4. ちなみに…今のSmartHRのフェーズめっちゃ面白いよ
現在、SmartHRはイノベーター理論でいうと、まだまだ「アーリーアダプター」に位置しています。そのため、どのようにキャズムを乗り越え、「アーリーマジョリティ」に進めるのか試行錯誤の段階です。
イノベーター理論とは
イノベーションの普及に関する理論。商品購入への態度により、社会を構成するメンバーを5つのグループへと分類したものである。
[マーケティング/wiki/イノベーター理論]
キャズムとは
ハイテク業界において新製品・新技術を市場に浸透させていく際に見られる、初期市場からメインストリーム市場への移行を阻害する深い溝を「キャズム(Chasm)」と呼び、従来のイノベーター理論における「普及率16%の論理」を否定したマーケティング理論のこと。
[マーケティング/wiki/キャズム理論]
キャズムを乗り越えるためには以下の4つが重要になると考えています。
① ターゲットの属性の変化
② 発信するメッセージの変化
③ マーケティング施策の高度化
④ 多職種との連携強化
① ターゲットの属性の変化
上記のBtoBとBtoCの違いでも記載した通り、BtoBはサービス認知から購入まで意思決定者が複数人います。また、これまでのイノベーターやアーリーアダプターと比べるとアーリーマジョリティの領域は、そもそもSaaSサービスへの理解が浅かったり、企業規模の大きくなってくるため意思決定者が増えるため、ターゲット属性が変化します。
② 発信するメッセージの変化
ターゲット属性が変化するため、商材の機能やメリットだけでなく、業界の変化やサービスの世界感などファネル上部の認知・興味関心層へメッセージを発信していく必要があります。
③ マーケティング施策の高度化
施策単体でみると、例えば、オンライン施策単体では、これまではラストタッチの評価からファーストタッチからラストタッチまでの一連のタッチポイントごとのデータを取得できる環境を構築し、認知施策や刈り取り施策などを正しく評価していく必要があります。
また、ファネル下部ユーザーに対し、獲得目的の施策としてオンライン(WEB広告)やオフライン(展示会)など単発的に実施すれば問題なかったのですが、ファネル上部の認知・興味関心層へ効果的にメッセージを届けるためには、マス⇔オンライン/オフライン、オンライン⇔オフライン、PR・広報⇔マス/オンライン/オフライン など連動したマーケティング施策の実行と計測、評価をしていかなければいけません。
④ 多職種との連携強化
そのため、マーケティングチームはインサイドセールスチームとリードの数を担保するだけでなく、どのようなチャネル/メッセージ/コンテンツであればより商談に繋がりやすいか、また、カスタマーサクセスチームとどのようなイベント/コンテンツがあれば導入企業様のサービス活用が促進されアップセルにつながるか、などを一緒に考えながら施策を実施する必要があります。一見、関係無いように思われるかもしれませんが、リソースが限られる中、キャズムという深い谷を超えるためには多職種との連携強化は非常に重要になってきます。
5. SmartHRのマーケティング組織も再構築中
上記のように、ターゲットや社会へ発信するメッセージ、コミュニケーション方法など、マーケティング施策が高度化しており、既存の延長線上ではない変化が求められています。しかしながら、まだまだBtoB SaaS マーケティングの成功事例は少なく、チームとして何を正解にするのか、手探りなのも事実です。
そのため、各メンバーのスキルや志向性を考慮してチームを再編成したり、施策を実行するためにより専門性の高いメンバーの採用を行い、チームをより強固にしています。
ちなみに現在は以下のスペシャリストの採用を強化しています。
・デジタルマーケティング
・展示会/イベントマーケティング
・データアナリスト
※興味がある方、ぜひメッセージください。気軽にお話ししましょう^ ^
6. さいごに
SaaS業界が盛り上がってきたとはいえ、周りを見回してもBtoCと比べると、BtoBのマーケティング経験者や成功/失敗事例が少ないように感じます。そのため、もっともっとBtoB SaaS マーケティングが盛り上がって欲しいと思い、今回は書いてみました。
この記事を見て、BtoB SaaS マーケティングに興味を持ってくれる人が少しでも増えたら嬉しいです…!
おわり
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