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ワガママに働く方が人がついてくる不思議
37歳でアメリカに渡って20年が経った。57歳となり、アメリカでフルタイムで働けるのも、もう10年にも満たないだろう。これまでもかなり自分勝手に生きてきたが、2023年は、将来後悔しないように更に自分勝手に自分の仕事人生を生きたいと決めた。
自分勝手に仕事をすれば、周りに少々迷惑をかける。ところがどっこい、ワガママに働くほうが人がついてくる不思議を実感しているから面白い!
ワガママに働くほうが人がついてくる不思議
多様性バンザイ! 美味しい仕事だけつまみ食いが許される
僕はアメリカの製薬会社で癌の新薬を研究する研究者だ。自分の頭で実験計画を考え、その実験で得られた結果を分析して、そこから導き出されたストーリーをまとめ、プロジェクトをグイグイ推進していくのが大好きだ。ただ、もちろん実際の実験には沢山の人が関わるし、たくさんの工程がある。大好きな部分だけでなく、とても面倒な部分や、自分にとって苦手で嫌な部分もある。実験には使用する薬、実験材料、器具などが必要だが、それらを手配・準備するのは面倒くさい。ほとんどの実験は外部委託するが契約して、細かな工程を打ち合わせるのも面倒くさい。集中力のない僕には殆ど聞いているだけのミーティングに出るのもめっちゃ面倒くさい。最終的には実験の成果はレポートの形にするが、細かな実験方法などの詳細な記述まで書くのは本当に面倒くさい。可能なら、自分の美味しいと思える仕事だけをつまみ食いしたい。でも。。。
当初、日本人の僕は、自分の好きな美味しい仕事だけをつまみ食いして、面倒な作業を他人に押し付けることに違和感・罪悪感を持っていた。頼みづらいし、頼んだ相手に嫌な顔でもされたらそれこそその方が面倒なので、我慢して自分でやってしまおうと。。。 ところが、分業が進んで、それぞれの作業にプロフェッショナルがいるアメリカでは、僕が面倒でやりたくないと思う仕事が、得意でプロフェッショナルにしている同僚がたくさんいる。日本では、仕事内容に優劣をつけがちだが、アメリカでは仕事内容の違い、どの仕事をそれぞれ個人が自分のプロフェッショナルにするかを多様性で捉える清々しさがあると感じる。だから、彼らにとっては、僕が苦手な作業は彼らに振って、自分が美味しいと思える仕事だけに集中して取り組み、そこで大きな成果を出してくれる方が嬉しいのだ。それがだんだん分かってきた僕は、自分が苦手でやりたくない部分を、ワガママに周りのそれを得意とする同僚に振るようになった。驚くことに彼らは嫌なことを押し付けられたとは思わず、自分にとっては得意なことなので、むしろ僕に協力できて嬉しいと思ってくれる。まさに多様性バンザイ!と思える瞬間だ。
自分がやること
仲間の協力に支えられて、自分の特性を活かして自分が美味しいと思える仕事だけをつまみ食いさせてもらえるのだから、自分の担当する部分には100%説明責任を持ち、全力を尽くす覚悟は必要だ。仲間の協力に支えられて出来た覚悟は、めちゃパワフルだ! 自分一人で密かに持った覚悟とはわけが違う。だから、自分のやる気度、本気度にも相乗効果がかかる。
ワガママに働くのが実はうまくいくと言っても、順序は大切だ。まずは、自分がギバーに徹して、自分の知識、経験、アイディアを惜しみなく共有し、仲間に先に信頼貯金をしなければ、いくら様々な部門でプロフェッショナルがいるアメリカでも、喜んでは協力してくれないかもしれない。
ただ、面白いことに、仲間との信頼関係を得た後には、自分の色を出して、ワガママに働く方が、かえって仲間がついてきてくれる。支えてくれると実感している。
日本だったら?
こんなワガママな働き方は、日本の会社文化では許されず、日本にいたら僕は居場所がなくなっていたかも、とは思うことがある。でも、これからは日本でも、自分の色を堂々と出して、ワガママに活き活きと働ける会社が成長していくと思う。