どうやったら飲食店の売上を上げられるのか?~新卒2年目ベンチャー企業社員の奮闘記~
どうやったら売上を上げられるのだろうか?
新卒でマネージャーになってからその問いに対する答えをずっと考えてきた。
会社から予算として現場に卸されて、予算を達成するために現場に来たお客様をがむらしゃらに対応する日々。
全力で頑張った結果、月によっては売上を達成することもあるし、月によっては未達の時ももちろんあった。
現場のやるべきことで手がいっぱいいっぱいになってしまい、特に仮説も持たないまま、また1ヶ月が始まって再現性や改善点を特に出せないまま、月日が経ってしまうの繰り返しの日々に、まるで出口のないトンネルの中をずっと走っているような感覚に襲われた。
飲食店として売上を上げるイメージが湧かない。一方で友人が働いている営業という職種の売上の上げ方のイメージは湧き方やすかった。
契約を取るか、取らないかとシンプルだからだ。
どうやら売上の上げ方にも業態によって随分異なってくるらしいとその時に気がついた。
その問いが自分が関わる業界の全体像に興味を持ったきっかけだった。
①まずは業態の全体像を把握する
飲食店の売上を上げるには、売上=「客数」×「客単価」が一般的な計算式だと言われている。
ただ、売上を上げるイメージ抱くにはこの計算式だけだと弱いのだ。
客数は客数でも、客数の現状を把握するためのは下記の項目について把握しないといけない。
・認知経路
・新規/リピーターの割合
・曜日別来客数
・時間別来客数
etc……
例えば、認知経路のネット検索をしてくれる人が月に3000人いたとして、制約数が30人なのであれば、6000人閲覧してくれる人を増やせば制約数が2倍の60人になるのではないかと仮説を立てて、じゃあ2倍の閲覧数にするためにはどうしたら良いかを現場に問いを立てて、実行してもらう。(予約制をのBBQ場を運営しているため予約数で考えている)
業態の全体像を把握すると、健康診断のように何処か良くて、何処か改善するポイントなのかを整理しやすくなる。
ただ、がむしゃらに頑張るのも大事だが、一旦立ち止まってどこかお店の強みなのか、弱みなのかを把握することは、後々結果を出せるか、否かに大きく影響してくる。
売上を上げることが出来ず、悶々としている人は飲食店問わず、どうやったらその業態は売上が立っているのか、全体像を把握することから始めてみると良いかもしれない。
②現状を把握する
全体像を把握した次は、課題を明確にした上で実行に移さなければ結果は現れない。その結果を出すためには、最近自分の中でステップがあるように感じた。
まずは、全体像を把握して課題を明確にすること。課題を明確にした上ですぐに効果が出ることと、出づらいもので優先順位を振り分けていく。
この段階では現場メンバーの工数(人数、割ける時間)には限りがあるので、何をやるかよりかは、何をやらないかという考え方が大事になってくる。当初の自分は洗い出されたものを全て遂行しようとして現場を疲弊させてしまった経験があるのでやるべきことの取捨選択は大事だと痛感した。
そして次に何をすべきかを洗い出す。洗い出した上で、戦略を達成するための戦術(役割と業務内容)を明確にして、アクションに移していく。
このタイミングでしっかりと役割と業務内容を明確化にしておかないと現場メンバーはアクションを実行していく途中で「僕/私って何をしたら良いですか?」と役割を見失い、役割の再定義と動機付けにかなりかなりの工数を使ってしまう。
余談だが、年商5000万円ほどのBBQ場を現在運営しているのだが、3人のコアメンバー(店長1人+副店長2人)という体制を取り、他はアルバイトというチーム体制で創業当初から運営していたのだが、コアメンバーの業務量があからさまに超過しており、疲弊させてしまっていた時期があった。
そこで思い切って、コアメンバー制度(3人の中心メンバーで運営する)を廃止して、よく会社である部門制にしたところ、1人あたりの業務内容がかなり簡易化され、逆にアルバイトスタッフも店舗運営にコミット量関わらず店舗運営に少なからず関われるようになったためお店の一体感は生まれるようになった。一方で関わる人が増えたため、一人ひとりの役割と業務内容の明確化は現在進めているところだ。
③目標設定をしてチームを作る
売上を追っていると、俺たちは何のために売上を達成しようとしているのかという問いに襲われることがある。
調べてみると目標には3つに分類できることが分かった。
意義目標とは、そもそものプロジェクトがもたらす価値のこと。
成果目標とは、意義目標を定量化したもの。何を持って達成されたかと定量化したもの。
行動目標とは、意義目標を達成するために何をするのか、タスクに落とし込んだもの。
ここでは目標は3つに分類できるという視点を持つことが肝な気がしている。よくプロジェクトの提供価値、何のためにそのプロジェクトをやるのかとメンバーで話すことが多かったりするが、成果目標を話すことなく月日が経っても何を持って達成したのかを測ることが難しくモチベーションを保ちづらい。
一方で成果目標だけを考えても、例えば売上5000万達成しようと考えても何のために自分たちは頑張ったら良いのか売上の先にある提供価値のイメージが湧いていないため数字に奴隷に成り下がってしまう。
個人的には、数字の奴隷状態に成り下がっているチーム状態の時が一番雰囲気がよくない気がする。
結果を出す上で、売上の上げ方を理解し、現状を把握し、その後に正しい目標を設定してチームを作ることはとても重要になってくる。
現場メンバー各々が、一貫して関わるプロジェクトの意義目標を言語化できる状態を創出しないとせっかく何か頑張っていても各々が同じ方向性を向いていないため結果に反映しづらかったりする。
自分が大事にしている目標設定の仕方としては、しっかりと関わるメンバーの口から言葉を紡ぎ出し言語化してもらうことを重要視している。
なぜなら行動に移してもらうことを重要視したチームを作り上げる上で、メンバーの意識を統一するための目標に対して共感してもらえてないと自発的な行動には移らないからだ。
現代人が触れる情報量の量は平安時代の一生分、江戸時代の一年分と言われている。情報量が増えた結果、私達の進路は大幅に広がった。
それはメリットでもあり、一方で同じ環境で頑張り続ける理由が少し薄まった要因の1つとも考えられる。なぜなら業界に興味あるだけなのであれば、やりがいや楽しさを現在いる環境で感じなくなれば、同じ業界で違う環境を探せば良くなったからだ。
その中で自分達が働く環境に残ってもらうには、ビジョンとメンバーの関わりしろ(役割と存在価値)をきちんと示し共感してもらう必要がある。
私達は何のために頑張っているのか。それを達成するためにどういう役割が必要でなぜ、その人に依頼をしているのか。
情報量が飽和している現代では、1つ1つの本質的な価値を見出し、言語化するチームづくりをしないと、退職するメンバーが増えて、人員不足に陥って採用活動をしたり、メンバーの動機付けに工数を取られたりと中々結果を出すのに時間がかかってしまう。
まとめ
新卒2年目の最初の方は、マネージャーになって、売上予算が降ろされてどうやって達成したら良いのかその道筋のイメージが全くもって湧いてこなかった。
その中で活路が開かれたのは、結局は問いの数だと思う。
どうやったら売上を上げることができるのか?と聞いてくれる人が環境の中にいることがまず重要だった。だからこそ自分の役割が明確になったしタテ/ヨコ/算数で思考を広げることができた。
過去はどういう売上になっていたのか、他の飲食店とはどうやって売上を上げているのか、それは自店舗でも活かせるのか、活かせない場合はそれは何故なのか。メンバーのこのメニューが売れているから今月は売上が達成しましたという報告に対して、国語ではなく算数で提出してくれと要望して実績ベースで会話をする機会が増えた。
そんなことをずっと考え続けてきた新卒2年目だった気がする。
個人的にはようやく売上の上げ方のイメージの解像度が少しずつ上がってきたので来年度は結果にコミットしたい。感情的に結果にコミットしたいというよりかはようやく狙った結果を出すというフェーズまで来た気がする。
来年は結果を出すぞ。