凪良ゆう「汝、星のごとく」
生まれるとき、人にはそれぞれ
与えられるものがある。
親が自分の人生の荷物になる。
切り捨ててしまえば楽になれるが
切り捨てたがゆえの罪悪感が生まれるだろう。
自分にできるのは
結局どちらの荷物を持つか
選ぶことくらいだ。
我儘も身勝手も赦されると
自信がある人は強い
自分の背負うべき荷物を
誰かに背負わせてることにも
平気で目を逸らせる。
一方、一度背負った荷物は死ぬまで
あえぎながら引きずり続ける。
深情けのような過剰な優しさと
切るべきものを切れない弱さは
よく似ている。
櫂と暁海は何を失って
何を手に入れたのだろう
夕星は希望だったのか
どうしても手に入れらない
と知る絶望だったのか。
結局わたしは
誰に赦されて
誰に赦されずに
生きて行くのだろう。