楠木正成に大根飯をおしえよう
最近、飯の記録をつけている。
緊張感があってよい。
私は油断すると、フルーツグラノーラを買って、一袋その日のうちに食べてしまったりする。
緊張感が大切だ。
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その飯記録に「野菜を食うがよい」という託宣をいただいた。
しかし野菜というのは面倒なのだ。
金もかかる。
悩んでいたら、婆様といっしょに見た「おしん」が思い出された。
おしんの家は貧乏で、ふつうの飯が食えない。
飯に大根を混ぜて食っていた。
たぶん、飯も米ではなく、雑穀だったろう。
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そうだ、俺も大根を飯に混ぜよう。
それで大根を一本買ってきて、毎日飯に混ぜて食っている。
冬の大根はでかい。
全然なくならない。
たぶん全部食べるのに1週間近くかかる。
それでいて、一本二百円しないのだから、経済である。
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そもそも私が食べている飯は10割麦ごはんである。
米が入っていない。
それに大根が混ざっている。
途方もない。
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以前、原作の方の「この世界の片隅に」を読んだら、楠公飯というのが出てきた。
米を精米せずに炒って、通常の三倍の水で炊くという、よくわからない代物だ。
みんなよくわからない顔をして食っていた。
楠木正成が開発したらしいから楠公飯である。
楠木正成も米をそんなにいじくって食べるのなら、大人しく粥にするか、雑穀に大根をまぜて食べたほうがよかったのではないか。
私のようにね。
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