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なぞのやっちゃば

近所のスーパーに「やっちゃば」と書かれたコーナーがある。
野菜学校とやらで採れたという小ぶりの野菜が売られている。
やっちゃばとはいかに。

常々あやしきものだと思っていた。
すると夏目漱石の「硝子戸の中」にやっちゃ場というのが出てきた。
漱石の生家のそばにあって、「いーやっちゃいくら」という掛け声のもと、なすとかしょうがとかが籠盛りで売られていくという。
そこの主人は「問屋の仙ちゃん」と呼ばれていた。
仙ちゃんの娘は講談師の一龍斎貞水と恋仲になって心中騒ぎを起こしたらしい。

それはそうと、やっちゃばは、野菜の市場という意味だと分かった。
漱石ありがとう。

いまはもう使われていないだろうと思ったら、トラック乗りの間では「やっちゃば」がまだ使われているという。

感心したので、メモしておく。

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