難易度が高くない仕事 とは。
「その仕事は、なんというか難易度が高くないと思う」
就活生からそんな言葉を聞いた。
その学生は、社会人経験もなく、仕事をイメージで語っているようだった。
世の中には色々な仕事がある。
単純作業と呼ばれるようなものもあれば、ガテン系と呼ばれるような肉体労働もあるし、デスクワークやオフィスワークと呼ばれるようなものもある。他にも数え上げればキリがないくらい、本当に色々な仕事がある。
さて、お仕事未経験の人にとっても、難易度が高くない仕事なんていうものがあるのだろうか。
確かに、特定の人にとっては、短時間で習得できるような仕事もあるかもしれないが、万人にとって誰でも簡単に出来るというような仕事は、あまり見当たらないような気がする。何事だって、適性や相性というものがあるし、習熟レベルになるには、それ相応の努力と工夫がいる。
一見単純作業に見えるようなことであっても、効率化させたり、仕組み化することを考えながら進めれば、そう簡単ではないことに気が付くことがよくある。
また、その学生はこんなことも口にしていた。
「転職前提で考えたとしても、その仕事を経験して、市場価値のあるスキルが身に着くとは考えにくい」
新卒入社した場合、1~2年で転職をすると大抵の場合は第2新卒という扱いをされる。これは選考評価も受け入れも、新卒と似たような目線で捉えるという感じである。
つまり、転職(中途採用)といっても、経験者採用ではなく、未経験者採用という枠組みで扱われるし、特段のスキルがなくとも、内定を獲得できる可能性があるということである。
逆を返して平たい言い方をすると、世の中的には新卒から1~2年目くらいまでは、それほど大した経験やスキルが身についているとは、期待されていないということになる。
大きな差が生まれてい来るのは2年目~3年目くらいからだろうか
1人で仕事を任されるようになって、個々人の努力や創意工夫などが形になり身についていくタイミング。
そうなってくると、市場価値も変ってくる。
つまり、何が言いたいかというと、市場価値のある経験やスキルが身につくかどうかは、どのような会社や仕事に就くかということよりも、どのように仕事をするかという個人の姿勢や努力の仕方の方が重要だと言うことである。
さらに別の視点から。
結局のところ、どんな経験も無駄にはならないし、一方で積み上げた経験がどこで役に立つかは、その時にならないと分からないというのがキャリアであり、人生である。
キャリアプランを考えることも重要だけれど、捕らぬ狸の皮算用とならぬように、今この瞬間に出来ることに集中するというのも、キャリア形成においては非常に重要な点だったりもする。
なんていうことを思いながら、学生の話に耳を傾けた日。