
本当に日本社会をよくするために貢献したいのかい?
今日も終日面接官。
定番の質問といえば「志望理由」と「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」がツートップなのは今も昔も変わらないけれど、最近はその2つに加えて、「就活軸」に関する質問がよく上がってくる。
就活軸とは、業界や企業、仕事選びに関するその人なりの軸のことで、「どのような点を重視して、就活を進めていますか?」という類の質問のことである。
就活軸に関する答えにはある程度パターンがあって、
・自己成長できる仕事、風土があるかどうか
・日本をよくしたい
・人に貢献したい(成長を支えたい)
・若いうちから裁量権を持って働ける
・自分のアイデアを活かせそうか
これらを軸として考えている学生が多いように思う。
もちろん、就活軸がどのようなものであれ、合否に影響することは少ない(但し、極端な過激派的思考などはのぞく)。
「合否に関係ないなら、聞かなくてもいいのに・・・」というツッコミが方々から聞こえてきそうな気がするので、質問の意図を少しだけ解説しておく。
1つは、論理的な思考力があるかどうか。
例えば「日本を良くしたい」みたいな軸を持っている人が、海外にプラントを作るようなビジネスを展開している企業に応募していると、おやや?となる。まぁ、これは極端な例である。
就活軸は? →(日本を良くしたい) → つまりどういうこと? → それがなぜ当社なの? という流れで質問は堀り下げられていく。
そこにある程度合理的なストーリーが描けているか、またそれがステレオタイプ的なものや誰でもが言えるような表層的なものではないかどうかといった観点から、論理的な思考力を見ている(こともある)。
もう1つは、候補者のことをよく知るため。
就活軸というのは、言い換えればその人の仕事観や人生観といった価値観が反映されていることがよくある。さらに、どんな就活軸であっても、それを持つことになったきっかけや原体験のようなものがあるため「どんなきっかけで?」「いつから?」といった過去にさかのぼるような掘り下げ方していくことで、候補者の内面に迫ろうと言うものである。
だが、繰り返して言う。
就活軸がどのようなものであっても、合格する人は合格するし、不合格な人は不合格になる。合否判断にあまり影響がないポイントではある。
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就活軸として「日本を良くしたい(そこに携われる仕事に就きたい)」ということを挙げる人が一定数いる。
私はどちらかというと(いや明らかに)ひねくれているし、社会を斜めに見ようとするタイプなので、素直に受け入れられないだけかもしれないのだが、本当に日本をよくしたいと思っているのだろうか。
また、それを本気で仕事選びの軸にしているのだろうかと、いつも疑問に思う。
どうにも大それた話で、現実感が湧かないように感じてしまう。
そのわりに社会活動(選挙とか)自体には積極的でなかったりするし、、、どうにもなぁピンとこない。
うがった見方をすると、なんか立派なことを言わないといけないような雰囲気を勝手に作って飲み込まれていないかい?と。
私がずれているのかなぁ。
20年も社会人やって、ただ擦れてしまっただけなのかもなぁ。ちょっと正面から若者のキラキラを受け止められるように、滝行でもしてくるかな。。。
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