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人生の歩き方。ピークはいつか?
「あなたの人生のピークはいつですか?」
転校して初めて友達ができたときか?
部活の大会で優勝したときか?
初めて彼女が出来たときか?
大きな仕事を無事にやり遂げたときか?
年収が1,000万円を超えたときか?
結婚したとき、子どもが生まれたとき、目標を達成したとき、、、
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「人生のピーク」などと書きながら、そんなものが存在するかどうかも怪しいものです。
なんとなく自分の人生は傾斜がめちゃくちゃ緩やかな螺旋階段をグルグルと登っているような感覚。それこそ登っているんだか、平地を歩いているんだか分からないような、それくらいの緩やかな傾斜。一方で周りには、直線階段をどんどんと一つ飛ばしで登っていくように見える人がいて、自分が取り残されているような気持になったり、まったく登っていないような気持になったりすることもある。
それでも、螺旋階段なので、登り続けていれば似たような景色を少し違った角度で見ることもある。似たような経験だと思っても、対処する自分の状態が変わっていたり、周りの状況が違っていたり。そういうときに「あぁ、少しは上に向かって進んでいるのか」などとのんきに感じる。
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人生の長さも意味も分からなかった学生の頃(今もわかってないけれど)に、冗談半分で「自分の人生は常に上り坂だ」と嘯いていたことがある。
上り坂というのは、歩き続けているのは苦しい。代わりに高いところに向かっている。上昇志向とも読み取れるけれど、実際にはお気楽能天気ヤローだっただけなのだけれど。
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一方で、人生には「谷」のような場所に入り込んでしまうことも度々ある。
思うようにうまく行かなくなったり、足元が見えなくなって不安に感じたり、イライラしたり、哀しくなったり、辛くなったり。
それこそ、もう人生のどん底にいるんじゃないかと思ったり。
私でいうと、前職の2年目くらいがそうだった。
仕事でうまくいかないことが続き、メンタルズタボロで鬱状態になっていた。夜も眠れないし、何を食べても味がしないし、やる気も出ない。
その時に飲んだ薬の影響なのか、ストレスが原因かは定かではないけれど、手足の皮膚が全部剥けてしまった。
あとにも先にも、あの時が一番しんどかったのだと思う。
もちろん、その当時は谷の一番深くて暗くてジメジメしたところで、どちらが上かもわからずに、じゅくじゅくと過ごしていたような気がする。
なんやかんやでその谷を抜け出して何年か経過すると、不思議なもので谷で過ごした経験が生かされるような場面に出くわすのである。
似たような谷をうまく回避することが出来るようになっていたり、似たような谷に居る人を支えたり、引き上げることが出来るようになっていたり。
そうすると、あんなに暗くて辛くて嫌だったどん底の谷もまた、ただの通過点だったかのように感じてくるからますます不思議である。
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昔、ある人が言っていた。
「人生はプラスとマイナスの帳尻が合うようになっている」と。
本当にそうだろうか。
どちらかに偏っている人もいるのではないか。というか、私個人はプラスにずいぶん偏って生きてきた気がする。約40年もの間、プラスが出続けているのだとしたら、残りの40年はなかなか恐ろしいものに思える。
しかし、結局のところ、どのような出来事や状況に遭遇したとしても、結局それらはただの「事象」でしかない。その事象にどのような意味を見出すのか、価値を感じるのかは、つまりは自分次第なのである。
解釈の仕方は自由。
他人が「大変だね」と感じる出来事に対して、「チャンス」と捉えることだって自由。逆に「ラッキーだね」と言われるような出来事を以て「残念」と捉えたっていい。
その出来事に対して特別な意味を拾い上げられるのは、他の誰でもなく自分だけなのである。
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冒頭の「人生のピーク」の話題に戻ろう。
私は自分の人生を螺旋階段のようなものと表現したけれど、それすらも怪しい。ただ平坦な道をつらつらと歩いているだけかもしれない。
つまり、ピーク(峰)も、谷も存在しないただの道。
それでも、道端に咲く花を見て心が明るくなったり、すれ違う人や道中を共にする人とのひと時で楽しくなったり、たまにウンコ踏んで凹んだり。
自分ひとりで、勝手に浮き沈みしているだけなのかもしれない。
あなたの人生のピークはいつでしょうか?
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