人を見る達人と呼ばれて
先日、知人と食事に行ったときのこと。
その方とは知り合ってまだ間もなく、会って話すのも数回目という間柄。
なので、私にとっては友人というより、まだ知人の域。なんとなくどういう人なのかは分かってきたけれど、まだ漠然としか掴めていない、そんな関係性の方。
そんな方と食事をしているときに、
「カトウさんって人を見る達人ですよねー、すごく見抜かれている感じ」と言われた。
唐突だったので、少しびっくりした。
上述の通り、私としてはまだまだ相手のことが掴み切れていないと思っていたくらいだし。まぁ、人を相手にする仕事をしているので、見る目がないと言われるよりは、あると言われるにこしたことはない。
そんなことばを受けて、改めて自分はどんな風に人を見ているか、考えてみた。といっても、面接などではない限りは、意識してまじまじと人を観察することはないから、無意識レベルでどんな風に人を捉えているかということを、改めて意識的に言語化してみる感じ。
まず一番最初にどこを見るか。
これはもう全体をフワ~っとみる感じ。なんとなくの印象を感じ取る。
キビキビしてそうとか、やわらかそうとか、真面目そうとか、元気そうとか、ちょっと神経質そうとか、気難しそうとか、恐らく誰でもが当たり前にやるようなことを、私も同じようにやる。
その後は、相手との位置関係とか、会話の流れに合わせながら、ポイントポイントに意識を運んでいく感じ。
例えば、話しながら手の動きや仕草が多い人ならば、その動きに注目したり、指の長さや形、爪の長さ、血色、ネイルなどなど、わりとじっくりと見て、ちょっとだけ仮説を立てる。
例えば、丁寧に爪が手入れされていれば、身だしなみにきちんとしている人なのかなーとか、几帳面なのかなーとか。或いは手荒れとかがあれば、家事をしっかりやっているのかなーとか、ビタミンが不足しているのかなーとか。
答えを考えるというよりは、たくさんの小さな仮説を立てて、脳の片隅にストックしておくという感じ。
ひとしきり仮説を立て終わったら、次のパーツに移動する。
口元や目元なんかもよく見るかもしれない。
口角は上がっているのか、下がっているのか。目が合ったときに、そのまま見つめ返してくる人なのか、スッと視線を逸らすのか。目がどう動いているのか。
で、また仮説を立てる。そして、次に移動する。
基本的にはこの繰り返し。
もちろん、どこか特定の部位をジロジロと見ていたら、相手から気味悪がられるので、あくまでサっと流れの中で見るだけ。でも、注意すべきポイントを絞りながら見る。
そんな風に、仮説をたくさん立てていると、同じような仮説がいくつも重なって出てくることがある。
例えば、ネイルがケズれている(あまり細かいことは気にしないのかな?)、携帯の画面が割れている(あまり細かいことは気にしないのかな?)
このように細かいことは気にしないという仮説が重複して出てきたら、今度はそういう意識を持って相手を観察してみる。
例えば、細かいことを気にしない人だったら、財布や鞄、洋服なんかもスレてたり傷だらけだったりするかな?とか、寝ぐせついてないかな?とか。或いは、会話の内容とかから。
こんな風に、仮説をたてて検証をしてを何度も繰り返す。
で、検証された仮説を元に、仕事の様子だったり普段の様子を推測してみる。
例えば、細かいことを気にしない人なら、豪快な料理を作るのが上手そう とか、ざっくりだけど仕事が早そうとか。そんな推測を実際に相手に聞いてみて、また検証するみたいなことを繰り返す。
という感じだろうか。
もちろん、いつもこんな風に人を見ているわけではない。特別に気になった人とか、興味を持った人がいたときに、少し頑張って観察するという感じだ。
と、このように文字にしてみると、特別なことは何もないし、恐らく誰でもがやるようなことなんじゃないかという気がしてきた。
あれ、じゃあなんで人を見る達人なんだろう?
仮説の精度が高くて的中率が高かったか、或いは、相手が忖度してリップサービスしてくれたのか。後者な気がしてきたな、、、
あなたは人を見るとき、どんなところに注目しますか?
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