選考設計の裏側。
「選考設計や面接のポイントについて知りたい」というご相談を頂いた。
これは難しいお題。
うまく伝えられるようにするために、思考整理のためにnoteを使ってみよう。
まず採用選考の目的については大きく2つに分けられる。
①スクリーニング
②魅力訴求
①のスクリーニングは、主に3つの観点から応募者(母集団)を絞り込むことを意味する。
3つの観点とは下記。
・合格基準を満たしているか
・不合格要件に抵触していないか
・合格ラインを超えた候補者が複数いる際に、誰に合格(内定)を出すか
合格基準(求める要件)は、企業によって様々だが、これも大きく2つに分類できる。
・ハードスキル
・ソフトスキル
ハードスキルは職務遂行能力、ソフトスキルは組織文化への適合(カルチャーマッチ)と密接な関係があり、双方のマッチ度が高いほど伸びしろ(Growth Potential)が高いということになる。(もちろん、伸びしろは学習能力の高さなど、他にも変数がある)
2点目の不合格要件とは、どれだけ合格基準を高く満たしていても、不合格要件に抵触していれば、それだけで不合格とするようなもの。
例えば、犯罪歴だとか、性格的なもの(極端な他責傾向とか)だとか、勤務条件の不一致(残業不可とか、転居不可とか)などなど様々ある。
そして、3点目の誰に合格(内定)を出すかとは、優劣の評価であり、即ち順位付けのようなものである。
企業によっては、面接評価をスコア化(点数化)している場合などもある。
はてさて、
合格基準とはどのように設定されているのか。
前提として「求める人物像」を設定している必要がある。
積極性があるとか、論理的思考能力が高いとか、達成意欲が高いとか、これまた企業によって様々である。
重要なことは、きちんとした定義をする必要があるという点である。
例えば「積極性がある」とはどういうことか。
毎朝始業時間の1時間前に出社することなのか、未経験の業務であっても主体的に取り組むことなのか、常にチームの成功のために必要なプランを練ることが出来ることなのか、企業によってどのような行為や姿勢を「積極的」とするのかは異なる。
より具体的に明確にしておく必要がある。
逆をかえせば、求める要件が具体的であれば、その有無を確認するのはそれほど難しいことではない。(レベル感を判断するのは難しいが、これまた定義がしっかりしていれば可能)
このように、選考全体を通じて、何を確認するかを明確にしていくことが、面接設計ということになる。
②魅力訴求について
スクリーニングが完璧に出来て、100点の候補者を見つけることが出来たとしても、その候補者から内定辞退されてしまっては意味がない。
内定を出して承諾を得るためには、候補者に「あぁ、この企業に入りたい、働きたい」という気持ちになってもらう必要がある。
そのために、あの手この手で企業や仕事の魅力を伝えていくこともまた、選考の中で重要なプロセスである。
内定を出した後に、懇親会だとか内定者フォローだとかで魅力訴求しようとしている企業もあるが、内定を出すようなタイミングでは、ある程度候補者の気持ちは決まっているので、内定後にいくらフォローしても、大抵は遅すぎる。
例えば、面接を担当する社員の言葉遣いを丁寧にしたり、待ち時間に気さくに話しかけたり、雰囲気を明るくしたり・・・コンプラ対策でもあると同時に、魅力を伝える手段でもある。
これらを、1次面接、2次面接、最終面接と、誰が何を確認し、どのように見る欲を伝えるか、さらに合格率をどのように設定するかを加味して考えることで、選考設計となる。
非常にざっくりではあるけれど、
採用選考を設計する前提はこのような感じである。
それぞれもっと細かなポイントがあるのだけれど、それはまた後日・・・。