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1992 産まれた町のはなし
香取さとり30歳までのカウントダウン
第0夜 1992
それはある寒い日の夜だったそうな。
私、香取さとりは福島県郡山市のとある病院で、おおらかな父とエッジの利いた母の第一子として生を受けました。当時のことは当然記憶にありませんが、今の私から逆算するに、それはそれはかわいい赤ちゃんだったことでしょう。
郡山というと福島の中では一番栄えている街ですが、私の故郷である磐梯熱海は郡山市の北西の端に位置しており、もう一歩で猪苗代、天気はほぼ会津といった雪深いエリアです。子どもの頃は大雪が降るとスクールバスが動かないのに学校はなかなか休みにならなくて、バス待ちの時間に凍えてました。そう、僻地だから学校までがめちゃ遠いんですよ。今思うと大変でしたね。
磐梯熱海には美人の湯とされる温泉があり、どの学年にも旅館のご子息が2〜3人はいるような、そういうのどかな町です。私の家は先祖代々農家なので、春は田植え、夏は増水した川をじいさんが見に行き、秋に稲刈りと梨の収穫をして、冬はおやつにストーブの天板でちょっとあぶった干し芋をかじるという暮らしです。大学1年の頃、授業で学科全員にGoogle Earthで実家周辺の画像を見せるという個人情報どうしたプログラムがあったのですが、そこでちょっとどよめきが起こるくらいには何もありません。島根の友達に「恐竜住んでそう」と言われたのはめちゃ覚えてる。
そんな話はおいおいするとして、今日は0歳のころの話をします。いや、0歳のころを振り返るのはやっぱりむずかしいので私が生まれるまでの話を怒られない範囲でしようと思います。
父は、意図して誰かを傷つけることもないし、リスクを負ってまで無謀な挑戦をすることもないし、仕事は真面目にするけど家のことはぜんぜんしない、とにかく愛想がいいのとちょっとしたサービス精神が売りの、野原ひろしみたいな人で私は好きです。
母は、ないものは買う前に一旦自分で作ってみる、そしてそれが既製品より使えるみたいな自給自足型人間。どんなピンチも知識とガッツで打ち返せるタイプなのですが、器用さが仇となって周囲の嫉妬を買いがち。生まれるのが30年早かったんでしょう。体型はめちゃめちゃ華奢ですが、バブルのころはスキーに行ったりバイクに乗ったりしていたらしいです。
そういえば、私が生まれたころはトレンディドラマの最盛期だったので、私の名前も東京ラブストーリーのヒロインから取って、リカとなったという小話もあります。
どんな間違いでこの2人が夫婦になってしまったのか、私には本当に理解できないのですが、何もないところには何も生まれないという言葉がすべてです。母のほうが父より年上なので、バランスは良かったのかもしれません。人間って面白!!って死神なら言うでしょうけど。
夜も更けてきたので今日はこのへんで。
こういう感じで1年ずつ人生を振り返っていく企画ですので、もしよかったら明日も見に来てください。ハートのマークもポチしてくれたら嬉しいです。
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