じっくり考える習慣はどうやって身につく?
「わが子の考える力を育てたい」
「じっくり考えて答えを出す習慣を
身につけさせてあげたい」
と思っている親御さんは多いですよね。
先日もご相談をお受けしました。
「うちの子はすぐに考えるのを諦める。
もっと考えてほしい。
考える習慣を身につけてほしい。」
という感じですね。
こういう時、どう考えるか?
まずは、
「ありとあらゆることに、
熟考する習慣を求めない」
というところから始めましょうか。
確かにお子さまによっては、
いろいろなことに興味を持ち、
「これなんで!?どうして!?」
と疑問を持つ子もいます。
ですが、成長とともに、
興味の偏りが大きくなっていきます。
興味のないことに対しては、
そんなに考えようとしなく
なっていきます。
これは私たち大人もそうですよね?
たとえば私はファッションに
そこまで興味がありませんので、
コーディネートを考える時間は
ほぼありません。
でも、子育てに関することや、
人間関係のことなどは、
「なんでだろう?」と考えたり、
調べたりすることに時間をかけます。
わが子の場合は、
できるだけ知識の幅を広げさせたい
という親御さんの思いもありますが、
「じっくり考える癖付け」については、
まずは“特定の範囲”の中でも
良いかなと思います。
その特定の範囲が、
自然と広がっていくのです。
こんな事例があります。
「歴史」にあまり興味を
示さないお子さまがいました。
でもその子は、
「お城」がとても好きでした。
お城が好きな理由は、
主に「外観」でした。
「お城、カッコいいなー」という感じ。
そこで親御さんは、
お城自体の興味を
もっと深めてもらうために、
実際にお城を見に連れて行ったり、
お城の図鑑や本などを
家にたくさん置いたりしました。
するとお子さまも、
お城の外観だけでなく、
内装や、お城ができるまでのルーツも
調べていくようになりました。
なぜ、ここにお城を建てたのか?
なぜ、このような建築様式にしたのか?
誰がなんのために建てたのか?
こうやってお城を調べていくと、
自然と歴史の背景を知ることになります。
自然と歴史の知識も身につき、
歴史自体にも興味を持っていきます。
このお子さまは、
もともとは歴史にあまり興味を
示しませんでした。
まあ、歴史と言っても、
いろいろありますからね。
日本なのか?世界なのか?
いつの時代なのか?
それぞれ違うので、
ひとくくりで「歴史」にしてしまうと、
子どももいまいち
ピンと来ないのでしょう。
このように、
「お城」という狭くて特定の範囲でも、
興味のあることであれば、
できるだけ深堀りしてみる。
深く深く掘って学べるような
環境を子どもに与えてあげる。
すると、その特定の範囲では、
「じっくり考える」
という習慣ができます。
まずはこれだけでも良いと思います。
そして、特定の範囲でも
じっくり考える習慣が身につけば、
その特定の範囲が
自然と広がっていきます。
「お城」を調べれば、
歴史的背景にも発展していき、
「歴史」自体にも興味を持つようになります。
すると、
・なぜ、この時代は
こんなことが起きてきたのか?
・なぜ、戦争は起こるのか?
というように、
さまざまなことに興味を持ち、
じっくり考えるような習慣も
身につくようになると思います。