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口紅が本当に必要になってきた
昔から、リップクリームを筆頭にリップ関連のアイテムが大好きだった。
マスカラよりも、アイシャドウよりも、何よりもリップアイテムが大好きで、唇が潤っていることが可愛さだと思っていた。
二重幅が広くない私にとっては、アイシャドウより色の違いが楽しめたのも大きな魅力だった。
メイクができない高校生くらいまでは、リップクリームにこだわり、校則をすり抜ける色付きのリップクリームも数本持っていた。
(ただし平成初期のカラーリップは結構残念なものも多かった)
とにかくメイクが楽しかった大学生~20代前半くらいまでは、同じブランドの色違い、同じ色味でも質感違いの口紅を何本も持っていた。
よく(メイクをしない)男性に「何でそんな同じ色の口紅を持っているの?」と聞かれて「全然違うから!」と憤慨するというあるある話があるけれど、全然違うという主張もめちゃくちゃわかるうえで、正直自分でも「同じような色ばっかりだな」と思うこともある。
それでも私にとって口紅は「テンションがあがるアイテム」だった。
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時が経ち、1年の半分以上、というかメイクをした日数を数えた方が早いような生活をするようになり、口紅の数も使う回数もかなり減った。
唇がカサつくことも増えた。
メイク自体は好きだし、いまだに口紅も好きなアイテムだけど、買っても使い切れないことが分かり切っているので、物欲を抑えるためにもなるべく新作のチェックはしないようにした。
近所のスーパーくらいなら、余裕ですっぴんで出かけてしまうし、俗にいう女子力的なものは日常において圧倒的に失った。
(たまに発揮しようと思っても積み重ねがないから四苦八苦)
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そして、この前、すっぴんで出かけた先でふと鏡に映った自分を見て驚いた。ってゆうか、引いた。
血色皆無。
顔色が悪すぎたのである。
いや、厳密に言えば、顔色自体は悪くはない。んだけど、なんていうか、顔面が心許ない。なんか足りない。
そこで、急いで持っていたカラーリップを塗ってみると、あら不思議。
消失していた血色がどこからともなくひょっこりと現れた。一体どこにいたのよ、探したよ!!!!
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ああ、そうか。そうだったんだ。
昔、ドラマなんかで、急にお客さんや宅配が来た時に、年配の奥さまが慌てて口紅をひいて玄関に向かうというシーンがよくあった。
あとは、入院中の女性が、お見舞いの方が来る前に口紅を塗ったりね。
それから最近は減ったけど、突撃取材や突撃訪問のような番組で、奥さまが「あーん!わかっていたら口紅くらい塗ってきたのに!!!」なんて言っていたよね?
当時は、「口紅塗ったくらいで何が変わるんだろう(笑)」とか「どんな時でも身だしなみをちゃんとしようという気持ちなのかな」とか漠然と不思議な行動に思えていたんだけど、そうか。そうだったんだ。
口紅塗ったくらい、で全然変わるわ。
そりゃ口紅だけで、すっぴんをフルメイク仕様に見せる魔法のような効果はまったくない。
ただ、顔色は違う。
30代も半ばだけど、体調によっては「え、死んでたんか?」と思うような顔色の時がある。
そういう時の口紅は、マジで心強い。
こうなるともはやおしゃれとかじゃない。生気。生きてますよアピール。
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私にはこれからより一層、口紅が必要なアイテムになるんだな。
好きなのは変わらないし、テンションもあがるんだけど、ありがたみが増した。口紅様。
まあでもね、そもそもすっぴんでも顔色がよくなるような身体作りも意識していきたいね。それも大事だ、きっと。
口紅様、これからもよろしく頼む。切実に。