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花火と戦争
全国的に花火大会の季節がやってきた。
花火。美しいよね。
沢山の人が、一夜の花火を見ようと、もしくはそれを口実に恋を育てようと会場に押し寄せる。
一方で、花火大会の始まりを知って見る人は年々減っていくような気がする。
私の地元では、より多くの見物人が集まるように、ある年から土曜日に行われるようになった。
それまでは平日だろうと、雨天でない限り8月の同じ日に打ち上げられていた。
その日というのは、その町に、空襲があった日。
終戦を迎えるほんの数日前。駅前を中心に、大きな空襲があった。
100歳を迎えた私の祖母の生家付近も、空襲の被害を受けた。
実は、全国的にも有名な長岡の花火がそうであるように、戦争で亡くなった人たちの慰霊・鎮魂のための花火大会というのは珍しくない。
あなたがよく行く花火はどうだろう?
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予算が限られるなかで、花火大会が商業的になっていくのは仕方ない部分もあると思う。
インスタ映え、デートスポット、いいと思う。
これぞ平和だからこそ、である。
それでも、かつての花火大会の日である空襲のあった日、そしていま花火大会の行われる日には、過去の過ちとその渦に飲まれ命を落とした多くの先人に思いを寄せたい。
どこかで見かけた言葉。
「落とせば爆弾。打ち上げれば花火。」
どうかこの先も、たくさんの花火が打ち上がりますように。
火薬が空から降ることのない世界、未来を切に願い、空で美しく花のように燃える火を、笑いながら眺めていられる尊さだけは忘れずにいたい。