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#005 日本語教育機関認定法公布、いよいよここからスタート

■「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」公布

衆議院と参議院、それぞれの本会議において採決が行われ可決成立。
天皇陛下の御璽もいただき、2023年5月2日付けで正式に法律として公布されました。
  法律名 令和5年法律第41号
  公布日 令和5年6月2日
  施行日 令和6年4月1日

官報に掲載された内容はこちら、

法律案はこちらです。
列挙されたもののうち、「概要」を見たら全容がわかります。とてもシンプルにまとめられていますが、要は、今決まったことはこれだけだということです。
詳細はこれから決まり、それらが2024年4月1日から施行されます。

施行まで7ヶ月を切っています。その間の動きを、日本語教育機関も日本語教師養成機関も日本語教師一人一人もしっかりキャッチして、施行に向けての体制と心の準備をしておくことが必要ということになります。
(もちろん移行期間が設けられ、4月1日に一斉によーいどん!しなければならないということではないので、様子を見ながらすべてが出揃ったところでスタート…もありです。)

■文化審議会国語分科会日本語教育小委員会スタート

2023年5月31日に、日本語教育小委員会が開かれました。通算第118回ですが、今年度の第1回です。

今期の審議内容は、
1)「日本語教育の参照枠」補遺版について
2)認定日本語教育機関の認定基準等並びに登録実践研修機関及び登録日本語教員養成機関の登録手続きについて
3)オンライン日本語教育の在り方について
となっています。

次回は6月28日(水)15:00〜17:30です。
この様子はライブ配信されます。後で議事録も公開されますが、生でこれを視聴する方が、時差なく自身のすべての身体機能で理解できると思います。
委員会の1週間前にライブ視聴事前登録のお知らせが出ます。

■ワーキンググループの設置

上のリンク先の資料5が示すように、以下の3つのワーキンググループが設置されます。

・「日本語の参照枠」補遺版の検討に関するワーキンググループ
・認定日本語教育機関の認定基準等の検討に関するワーキンググループ
・登録実践研修機関及び登録日本語教員養成機関の登録手続き等の検討に関するワーキンググループ

これらのワーキンググループの様子もライブ配信されるそうです。
私は3つ目のワーキンググループのメンバーになりました。現職の日本語教師の皆さん、そしてこれから日本語教師を目指す方たちに向けて情報を発信していけたらと思っています。

■「日本語教育の参照枠」について

日本語学校、そして日本語教師養成講座も、「カリキュラムに参照枠を入れていかなければならないようだけど、どうしたらいいの?」と、これは私自身も右往左往しているところです。
焦って、「N5をA1に置き換えればいいのよね」「レベルの記述文に書かれていることを授業で扱えばいいんだよね」…というような短絡的な考えは起こさず、ここは冷静に「日本語教育の参照枠」についてきちんと理解することが大事だと思います。
まず、自分たちの学校が目指す姿、学習者に目指してほしい姿を明確に自覚すること。
そして、参照枠の根底にある理念、日本語教育における言語活動、能力の育成、評価といったことを理解しながら教育を組み立てていったら、それが自分たちの目指す方向への道筋になると思っています。

今後の動きの流れについても逐次更新していきます。

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