#002 日本語教育の法案審議が始まりました
■永岡文科大臣による趣旨説明
「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に係る法律案」。2023年4月21日、文部科学委員会の初日、永岡桂子文部科学大臣が提案理由と内容の概要を説明しました。所要時間4分。初日はまずそこまででした。
■提案理由
・日本語教育を受けることを希望する我が国に居住する外国人に対して、その機会が最大限確保されるよう関係省庁の関連施策と有機的に連携しつつ日本語教育の水準の維持向上を図ることが重要。
・現在、日本語教育機関における日本語教育の質を示す共通の指標がないため、外国人が必要かつ正確な情報を充分に得られていない状況。
・日本語教育の専門的知識・技能を必要とする業務に従事する者の質的・量的確保が充分ではない状況。
■内容の概要
【1】認定日本語教育機関
文部科学大臣が、一定の要件を満たす日本語教育機関を認定する制度を創設し、その機関の情報を多言語で公表する。
教育の質を担保するために必要な場合の報告・聴取・勧告、さらに、認定基準を定めるにあたり審議会等の意見を聞き法務大臣と協議すること、その他の関係行政機関の長による協力についても規定している。
【2】登録日本語教員
日本語教員試験に合格し、かつ実践研修を修了した者が文部科学大臣の登録を受けることができる。
認定日本語教育機関で日本語教育を行う者は登録日本語教員でなければならない。
【3】指定試験機関、登録実践研修機関、登録日本語教員養成機関
日本語教員試験の実施は指定試験機関に、実践研修の実施は登録実践研修機関に行わせる。
登録日本語教員養成機関が行う養成課程の修了者に対しては日本語教員試験の一部を免除する。
■法律案の内容は以上なのです
つまり、今審議されているのは法律の大きな枠組みです。なので、現職日本語教師にとって大きな関心事である登録日本語教員になるための経過措置期間、講習、教員試験のことなどは、この法律が成立した後に順次決まっていくということになります。
次の委員会は、4月26日(水)午前9時開会だそうです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?