長子の苦悩
ボクは二人兄弟の末子なので、
長子が何を感じ、
何を考えてきたのかを、
正確に把握できているわけでは
ないと思う。
しかし、
愛着障害や心理学の本、
カウンセリングで学んだ
面白い話があるので、
シェアしてみたいと思う。
兄弟を考える時、
思い出すカウンセリングの
一コマがある。
カトー
「何故兄は、
ボクと同じ環境で育ったにも関わらず、
ボクのように心を病まないんでしょうか?」
カウンセラー
「ん〜、そうですねぇ〜
単純に感受性の強さが違うという事は言えると思いますが、
それ以外でいくと、
お兄さんは長子だったから
じゃないでしょうかねぇ。」
カトー
「?」
「何故長子だと心を病まないんですか?
育った環境は一緒ですよね?」
カウンセラー
「いえ、環境は一緒ではないですね。」
「カトーさんが産まれた時、ご両親の元には既にお兄さんという子供がいましたよね?」
「でも、
お兄さんが産まれた時はどうでしたか?」
カトー
「長子ですから、兄しかいません。」
カウンセラー
「そうです!
お兄さんしかいないんです!」
「つまりお兄さんは、
誰にも邪魔されずに、
ご両親を独占できた期間を
確かに持っているんです。」
「一方のカトーさんはどうですか?
産まれた時から兄がいて、
両親を独占できた事は
一度も無い。」
「この差は案外大きいんですよ。」
こんな話の流れだった。
つまり、
兄は両親を独占できた期間に、
愛着が育まれ、
ボクと同じ環境に育っても、
心を病みにくくなっている
可能性がある、
という事だ。
しかしこれだけで
安心はできない。
何故なら、
長子の人生には、
絶対に避けては通れない
地獄が待ち受けているからである。
それは何か…?
弟、妹が生まれる瞬間だ。
実は長子は、
両親を独占できる幸せな期間を経験し、
その味を知っているからこそ、
弟や妹が生まれた時、
想像を絶する喪失感に
苛まれるのだそうだ。
今まで、
両親にとっての唯一無二の
アイドルであった自分が、
一夜にしてその座を奪われ、
二度と戻る事が出来なくなる。
しかも、
下手をすれば、
その瞬間から子供でいる権利すら
取り上げられてしまう場合もある。
お兄ちゃんだから、
お姉ちゃんだから、
我慢を強いられ、
わがままを禁じられ、
面倒を見させられ…。
ただでさえ、
喪失感を抱えているのに、
そんな地獄の日々が待っている
というダブルパンチを見舞われる…。
両親のアイドルだった、
あの輝かしい日々は
何だったのか⁉︎
その時代の
アドバンテージもなんのその、
愛着に傷を抱え、
後々心を病んでしまう可能性がある事も
否定は出来なくなる。
解決策としては、
子供を、
「子供達」、「兄」「姉」、「弟」、「妹」、と、
カテゴライズせず、
その子として接する事である。
複数の子をもつ親御さんは、
是非気に留めていただきたい。
今日はこの辺で。
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