子供は親を憎めない
人間の子供は、
産まれてから数年の間、
そばにいてくれる誰かの力無しでは
生きていけない。
そばにいてくれる誰かは、
ほとんどの場合が親であり、
子供は自分のそばにいて、
世話をしてくれる親という存在を
愛するようにプログラムされている。
それは、
生まれた子供が
生き抜いていく為に、
必要な機能なのかもしれない。
しかし、
この機能が、
子供本人を苦しめる事に
なる事もある。
それは、
親から虐待を受けた場合だ。
虐待が
悪しきものである事は明白だが、
子供は、
親を憎む事ができない。
何故なら、
親を愛するように
プログラムされているからだ。
もし、
虐待をしている親を、
憎み、責めることができたなら、
その苦しみの行き場は
確保される事になるが、
親を憎めないよう
プログラムされているとしたら、
行き場を失った
虐待を受けた子供の憎しみ、苦しみは
どうなってしまうのか?
親を憎んだり、
否定できない代わりに、
自分を憎み、
否定するのだ。
自分が虐待されるのは、
自分が悪いからだと考え、
親を否定する事を
回避する。
そもそも親によって
人格否定を受け、
自己肯定感が低い状態にある上に、
虐待されるのは自分が悪いから
という強烈な自己否定も加わり、
子供は否定のスパイラルに落ちていく。
何とも悲しい話だが、
これは現実に起こる事だ。
ボクも
父の行為を否定する事ができず、
ずっと自分を否定してきたし、
父の行為が悪しきものだったと
認めるのは、
非常に大変だった。
子供が親を愛するプログラムを
利用して、
貧しい親の心の穴を
埋めようとしてはいけない。
親の側が心に傷を抱えているなら、
子供に依存せず、
自分の問題として
解決に取り組むべきなのだ。
それによって、
子供の心や命が
救われるはずだ。
今日はこの辺で。
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