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どこかへ行けたら

人が少ない静かな図書館で、本を読んでいる。

村上春樹の、『村上さんのところ』を読んでいる。

久しく本を読んでいなかったので、活字のシャワーが気持ち良い。ひとつ、ひとつ、私の中に溶け込んでいく。

窓辺の席に座っている。

例のヤツのせいで図書館内を換気しないといけないので、ブラインドがガラガラ、ゴロゴロ、と優しく鳴っている。

静かだ。

ふと、たまに、このままどこかへ行けたらな、と思う時がある。 今もそうだ。

このまま、ずっと、ただあるものを受け止めて、どこかへ行ってしまいたい。

悲しいとか、逃げたい、とかそんなんじゃなくて、ただ本当に「どこかへ行けたらな、」と思うだけだ。



眠気が襲ってくる。本を読むのって気持ちいいな。

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