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アパレル企業がこれから必要な事

コロナの影響が最後の一押しとなり、アパレル企業がアパレル一筋である必要性はなくなり、むしろそれだけは生き残れない時代が本格化してきた。

もちろん、それはアパレル企業だけではない。

多くの業界・業種がその企業の本質的な強み=企業価値を見出して、本業も維持・向上させながら、ポートフォリオ経営をしていく必要性も出てきた。

2017年から2020年までのファッション業界のトレンドトピックをご紹介したい。

1.アパレル商品の付加価値

商品への付加価値の付け方がこの数年で急速に変わってきている。

〜2017年 人軸の商品付加価値
ファストファッションが増え、商品の差別化が難しくなり、人軸の動画やSNS投稿で購買意欲を促進するマーケティング手法が増えた。いわゆるSNS映え。

2017年−2018年 デザイン性+機能軸の商品付加価値
デザイン性と同等くらい機能軸が大事な要素とされる商品が増えてきた。

アスレジャーという言葉が流行り、NIKEやADIDASなどのスポーツブランド、Northfaceなどのアウトドアブランドが今までの「機能軸」に「デザイン性」を強化してファッション業界に本格参入。
それらをセレクトショップ、SPAアパレル企業も仕入れ販売も増えた。

2018年-2019年 異業種 価格+機能軸>デザイン性
ファッション業界に価格と機能軸を強みにした異業種からの参入。

特に、WORKMAN PLUSが初出店
手頃な価格だけでなく、機能を重視しながらも最近はデザイン性も強化している。らしい。

元々「デザイン」性がある商品にプラスアルファの「機能」軸を追加していた時代から、「機能」軸がある商品にプラスアルファの「デザイン」性を追加する時代になった。デザインだけでは商品付加価値を訴求すが難しくなった。

2019年-2020年 異業種の台頭、機能軸+デザイン性
デザイン性を軸に販売していた外資ファストファッション企業の撤退・縮小

撤退・縮小
撤退 FOREVER21 
撤退 アメリカンイーグル
縮小 H&M

出店強化 
Snowpeak(韓国市場へも強化)
GOLDWIN(northface、neutralworks等)

直営店舗・EC強化
NIKE
ADIDAS
同時に卸縮小

2017年から多くの異業種からのファッション業界への参入が増えた。
一方でデザイン性と価格訴求のみが強みのアパレル企業は飽和状態になり、外資は撤退もしていった。
つまりデザイン性、価格だけでは生き残れない時代になってきた

2.チャネルシフトによる影響

デザイン性と価格だけで物が売れる時代で無くなった要因の大きい理由はいくつかあるが今回は特に2つ注目したい。


1.ECへのチャネルシフトの強化(EC構築の容易さ)
2.異業種参入

2-1.ECへのチャネルシフトの強化

急激なにECをやる企業やECチャネルが増えた。 = つまり競合が急増。
今までのアパレル企業は、異業種や個人もアパレル市場における競合になった。

・ECの台頭
店舗を持つアパレル企業の自社EC・オムニチャネル強化により既存顧客の囲い込みが進む

・ECモールの台頭
自社ECのみならず、楽天、Amazon、Yahoo(Paypay)、ZOZOなどモールECへのチャネル拡大手段が増加。
(特にZOZOは、企業規模に関係なく販売できる環境が整い、少し前まではセレクトショップやファッション雑誌に広告を出すようなアパレル企業の出店だったが、昨今楽天での有名店やメーカー参入など低価格商品も乱立している)

・EC構築プラットフォーマーの台頭
誰でも簡単にEC構築ができる。
STORES.jp、BASE、Shopify等

・インフルエンサーブランドの台頭 
ファンがいれば、そのインフルエンサーを付加価値にして、ECに集客・販売できる。

・D2Cブランドの台頭 
製造業や新興企業が世界観を重視しながら直接顧客の声を収集しながらECで販売できる。

・ユニクロ・GU
ECやオムニチャネル、SNS、物流など情報製造小売業への転換強化。
商品に関してもデザイン性だけでなく、機能、価格、快適性も非常に強い。

2-2.異業種参入


アパレル企業以外の異業種や個人がファッション業界に簡易的にECを構築して参入・販売できる時代になった。

NIKEやADIDAS、NORTHFACE、ワークマンPLUS、DAIWAなど異業種がファッション業界に本格参入。

釣り用品DAIWA
釣り具業界最大手の世界的ブランド。


[推測]背景として、釣りを楽しむ人口減少により、市場が縮小していく中で、ファッション業界参入によりお洒落なイメージをつけて、ブランド全体に新しい付加価値をつけて、釣り業界全体のイメージアップも狙う。そして、新規顧客、潜在顧客の獲得を行う。などの理由があるはずだ。
また、最近ファッション誌やWEBメディアでもDAIWAの名前を見かける機会が増えていた。
(DAIWAHOUSEかなと最初本気で思ったのはここだけの話です)

今回注目すべきは、BEAMSがノウハウを提供してブランド・商品化しているという事。



それらをベイクルーズや他アパレル企業も取り扱いを開始している。

DAIWAとBEAMSがどんな企業の本質的な強み=企業価値を見出したのか。

DAIWAは「今まで培った釣りにおける機能や素材」を他のビジネスに活用

BEAMSは「BEAMSというブランド価値をライセンスビジネスやノウハウ提供(DAIWAとはこの部分)」を他のビジネスに活用している

3.まとめ

アパレル企業がこれから必要な事をまとめると、


1.企業価値を明確にして、アパレル事業以外のビジネスへの挑戦。
2.マクロ・ミクロのEC戦略(自社、オムニ、モール含む)の見直しと明確化
3.商品の付加価値の付け方を競合状況(異業種含む)、顧客ニーズに合わせていけるか。

である。

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