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椎葉村の観光スポットvol.4 静寂と生命力に満たされた「大久保のヒノキ」の余韻に浸る

以前、椎葉村の代表的な巨木として十根川神社の「八村杉」をご紹介しましたが、今回の巨木もなかなかに味わい深い名木。椎葉を訪れたらぜひとも見ていただきたい場所です。

その名も「大久保のヒノキ」。八村杉からは車で10分ほどで、お隣の大久保集落にあります。この2つの巨木は近くにあるので、椎葉村へ観光にいらした方にはこれらの巨木コースをご案内することが多いのですが、どちらが好みかは本当に人それぞれ。筆者の肌感でいうと、五分五分といったところでしょうか。「どちらもそれぞれに素晴らしい」と、自信を持っておすすめできるスポットです。

大久保のヒノキは、樹齢およそ800年。幹周り9.3m、樹高32m、枝は東西32m、南北30mで、四方に大きく広がりがあります。八村杉と同様に、こちらも国の天然記念物に指定されています。

順路を進んでいくと、大きなヒノキが見えてきました。この大久保集落では「ヒノキはこの地を開拓し住み着いた先祖の墓印」と伝わっており、地域の方々にとって大切な存在なのです。

樹幹には無数の枝幹が複雑に絡みつきながらも上へ上へと昇っており、その躍動感は息を飲むほど。昔からこの場所で生き続けている壮大な生命力を感じずにはいられません。

ヒノキの周りをぐるっと一周できるようになっているので、いろいろな角度から観賞することができます。下から見上げてもまた違った良さがありますね。

ある人は「俺はここ(大久保のヒノキの下)に一日でも長く居たい、ちびちび酒を飲みながら」と言っていました。その気持ちもわかるような気がするのは、ここには、えもいわれぬ心地良い静寂が流れているからかもしれません。

唯一無二のこの余韻、ぜひ一度は浸ってみてください。

執筆・中川薫(https://note.com/kaoru_nakagawa/


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